アメリカのソフト・ハードパワーの対立
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アメリカの外交機関が、トランプ政権の開始により、困難な時代を迎えています。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
3月 04, 2017 18:51 Asia/Tokyo
  • アメリカのソフト・ハードパワーの対立

アメリカの外交機関が、トランプ政権の開始により、困難な時代を迎えています。

国務省の予算がおよそ30%縮小される一方で、大統領の顧問や側近、とくに彼の義理の息子であるクシュナー氏の外交機関への干渉について報道がなされています。こうした中、雑誌アトランティックは、国務省職員が匿名で、国務省は絶望的な状況にあると語った、と伝えました。この報告は、アメリカの新政権の開始から50日後の、国務省の無計画さと混乱について語っています。

こうした中、アメリカの軍事主義の中心である国防総省は非常に活発な日々を送っています。トランプ大統領は、アメリカ史上最大の軍を作り、最初の段階で500億ドルの予算を国防総省に追加することを約束していました。国務省と国防総省の状況の違いは、現政権のソフトパワーとハードパワーへの見方を物語っています。

アメリカ同時多発テロ事件後のアメリカの国際的な信用に打撃がもたらされた後、ブッシュ政権とオバマ政権はこの国のソフトパワーの拡大と一般外交への投資を優先にすえました。こうしたアプローチの枠内で、アメリカの政府高官は、外交の強化を強調し、様々な措置によって、世論のアメリカへのマイナスの見方を変えようとしました。外交活動が活発化し、世界中でプロパガンダ計画が実行されました。

こうした努力の一環として、政権の開始から1年も立たないうちに、オバマ大統領はノーベル平和賞を受賞しました。その後も、アメリカ政府の行動に対する批判がアメリカの国内外で残っていましたが、アメリカの評判は少なくとも同盟国の世論のもとで改善されました。

現在、トランプ政権の発足により、アメリカは一般外交の手段、ソフトパワーを無視し、軍国主義や世界を威嚇する政策の拡大によりハードパワーの時代に戻っています。このため国務省の予算は減少し、国防総省の軍事費が増加しています。問題はこうした機関の予算の問題に限られず、トランプ政権は国務省をほとんど信用していないようだ、という点です。外交、政治、安全保障分野の職務経験の全くないティラーソン国務長官の選出は、こうした点を裏付けています。この50日間、ティラーソン国務長官はマティス国防長官ほど話題になっていません。さらに今も国務省の重要なポストの一部が空席のままで、トランプファミリーのクシュナー氏が政府の問題に介入しています。

トランプ政権によるハードパワーの強調の一方で、21世紀の世界は日を追うごとに、軍国主義の影響下に置かれています。現在世界の大国は、ミサイルや航空機の数によってその力の度合いが決定されているわけではありません。

アメリカ軍がアフガニスタンやイラクで治安確立に失敗していることは、19世紀や20世紀の時代とは異なり、権力を獲得するには武力ではなく、外交やソフトパワーで国民の心をつかむ必要があることを示しています。

世界の流れに反する動きは、アメリカのソフトパワーの影響力をなくすだけでなく、最終的にこの国のハードパワーを縮小することにもなるのです。