現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」国際会議の閉幕
(last modified Tue, 16 May 2017 08:31:29 GMT )
May 16, 2017 17:31 Asia/Tokyo
  • 現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」国際会議の閉幕

現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」国際会議は、イランをはじめとする100カ国以上の代表が出席する中、北京で2日間の話し合いを行った後、声明を発表して閉幕しました。

この声明では、すべての国にこの大計画への参加が呼びかけられ、それが歓迎されています。また、航空宇宙、港湾や道路の建設、陸、海、鉄道計画の実施、その他の分野での協力が求められています。

中国は、この2度目の会議は2年後に開催されると発表しています。このことは、この会議とその結果に対する中国政府の満足を示しています。

中国は、世界の東と西の文化的、商業的なつながりを築いていた、シルクロードという長い歴史を持つ最大のルートをモデルにし、地域や世界の協力を強化すると共に、世界の平和と安定を促すための計画を実施しようとしています。このことから、中国の政府関係者は、現代版シルクロード経済圏構想の目的のひとつとして、テロや過激派、国境を超えた犯罪の根絶に向けた努力を挙げています。

経済分野に関しても、中国は、現代版シルクロードの実現により、アジア、中東、アフリカ、西ヨーロッパ、中南米の市場にアクセスし、アメリカの中国封じ込め政策によって行き詰まりに陥るのを回避しようとしています。

中国は、今回の国際会議の開催により、アメリカに対して力を誇示し、世界最大規模の計画の実施に向けた管理力を示しました。こうした中、この大計画の実施は、多くの問題にも直面しています。インドは、現代版シルクロード経済圏構想に反対しています。なぜなら、この計画の一部は、インドが領有権を主張する、パキスタンの占領下にあるカシミールを通過するからです。さらに日本も、この計画に反対しています。なぜなら、中国が、世界の権力ピラミッドのライバルとなることに反対しているからです。

また、この計画の実施には多くの費用が必要です。中国は、そのインフラの整備に145億ドルを割り当てていますが、長期的に見て、中国がこの費用すべてを確保できるかには疑いがあります。

中国は、この現代版シルクロードの計画を、およそ60にのぼる周辺国のすべてが共に勝者となる計画だとしています。しかし、実際に貿易関係が双方向のものとなり、現代版シルクロードのパートナー国の経済力の強化につながるためには、それがしっかりと実施される必要があります。この中で、古代のシルクロードにおいて重要な役割をはたしていたイランのような国は、現代においても、各地域の関係確立と商品のトランジットにおいて、重要な役割を果たすべきでしょう。そうでなければ、この計画に対する中国の政治家の楽観的な見方に希望を抱くことはできないのです。