イギリスのEUとの貿易関係に関する新たな計画
(last modified Wed, 16 Aug 2017 08:48:57 GMT )
8月 16, 2017 17:48 Asia/Tokyo
  • イギリスのEUとの貿易関係に関する新たな計画

イギリスのメイ首相が、EU離脱後の貿易関係に関する計画を発表しました。この計画によれば、離脱の後、イギリスとEUの貿易関係を継続するための移行期間が設けられ、その間に一時的な関税同盟を結ぶことなどが提案されています。

メイ首相の計画は、イギリスの人々や企業関係者の最も重要な関心事、つまりEUとの経済・貿易関係のあり方に関する疑問に答えたものです。この計画は、実際、少なくとも移行期間には、イギリスとEUの間で現在の貿易関係が継続されることを示しています。こうした中、EUが、この計画にどのような反応を示すかはまだ明らかではありません。特に、EUの関係者はこれまで何度も、2019年3月に予定されているイギリスのEU離脱後、イギリスはヨーロッパの共同市場に参加する権利を持たなくなると強調してきました。

EUは、イギリスの輸出の60%以上を占めており、イギリスのEU離脱によって、EU側からイギリスに対して厳しい関税がかけられることが予想されます。明らかに、それはイギリスの経済に大きな影響を及ぼすでしょう。とはいえ、イギリス政府は、EUの共同市場からの離脱につながる、EU離脱により、アメリカと自由貿易協定を締結し、その影響をある程度補うことができます。こうした中、アメリカが立場を変更し、イギリスとの自由貿易協定の締結は優先事項ではないと発表したことにより、イギリス政府は、EUの関係者を説得し、EU離脱後に移行期間を設けることに同意させようとしています。

現在、メイ首相の支持率が大幅に低下しています。次期選挙までのメイ首相の留任に賛成した人は、わずか29%で、48%が辞任すべきだとしています。この問題について、ヨーロッパ問題の専門家であるもフィーディ氏は次のように語っています。

「メイ首相は、EU離脱による非常に複雑な状況を管理する上で、多くの問題に直面している」

このような状況は、野党、特に労働党に、メイ首相が推し進めるEU離脱の早期実施に疑問を呈するための大きなチャンスをもたらしています。

カーネギー・ヨーロッパのステファン・レーン訪問研究員は、EU離脱交渉に触れ、このような複雑な協議のために予定されている時間は非常に少ないとしています。イギリス政府は、EU離脱後も、ヨーロッパ市場へのアクセスといった問題について、EUの加盟国と同等の権利や権限を持つと考えるべきではないのです。