北朝鮮による南北統一に向けた努力の強調

北朝鮮の朝鮮中央通信が、前例のない行動の中で、すべての朝鮮人に対し、南北間の接触、旅行、協力を強化し、南北朝鮮の再統一に向けて努力するよう呼びかけました。

北朝鮮はまた、「朝鮮人は軍事的な緊張から遠ざかり、朝鮮半島に平和的な環境を作るべきだ」と強調しました。

北朝鮮が韓国との関係について融和的な態度を見せたことは、いくつかの点で注目に値します。

まず、北朝鮮のキムジョンウン労働党委員長は最近、北朝鮮の核・ミサイル計画は韓国に対するものではなく、アメリカに対してのみ、それらを使用すると発言し、韓国のさまざまなグループから支持されました。

第二に、ピョンチャン冬季オリンピックは、南北朝鮮が、緊張緩和と協調に向かうための機会となっています。北朝鮮と韓国が、このオリンピックで統一旗を使用することで合意したことは、あらゆるレベルで、両国の統一と協力に向かおうとする姿勢が存在することを物語っています。

第三に、北朝鮮との緊張緩和をスローガンに政権についた韓国のムンジェイン大統領は、キムデジュン政権時代の太陽政策に戻り、地域に平和と安全を確立することで、投資の誘致や経済問題の解決に取り組もうとしています。なぜなら、韓国の指導部は、衝突が起きれば、特に経済的に大きな損失を蒙ることになることをよく知っているからです。

オックスフォード・エコノミクスのマクロシナリオ責任者、ジェイミー・トンプソン氏は、この衝突によってすぐに起こる結果のひとつは、韓国と日本の株価の下落であり、為替の大きな変動であるとしています。

北朝鮮もまた、南北朝鮮の世論から支持された、南北統一計画に向けた努力により、アメリカのトランプ大統領の北朝鮮に対する攻撃的な政策を退け、地域の緊張を北朝鮮に有利な形で抑制しようとしています。中国に対するアメリカの経済的な圧力と、朝鮮半島情勢に対して中国が譲歩した立場を取ることへの北朝鮮の懸念により、北朝鮮は、韓国の世論の支持を集め、韓国政府との緊張を緩和することで、状況を両国の利益になるように管理しようとしています。なぜなら韓国の人々は、誰よりも、緊張の結果を懸念しているからです。

経済問題の専門家であるウィル・マーティン氏は次のように語っています。

「南北朝鮮の緊張の高まりと危機的な地点への到達により、両国の戦争が始まる。このような状態になると、韓国の株価は下落し、投資や消費者の信用は大幅に減少するだろう。また、韓国のインフラが蒙る損失によって、衝突の影響は長期的にも短期的にもなるだろう」

いずれにせよ、北朝鮮がすべての朝鮮人に対し、朝鮮半島の統一の強化に向けた協力や努力を呼びかけたことで、アメリカはこの流れを壊すためにこれまで以上に活発に動くことでしょう。なぜならアメリカは、南北朝鮮の統一を望んではいないからです。