アメリカと北朝鮮の対話をめぐるアメリカの対立
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アメリカと北朝鮮の対話
北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長との会談の提案について、アメリカのトランプ大統領の歓迎に関するニュースが発表された後、アメリカ・ホワイトハウスはこの会談に前提条件を設けました。
ホワイトハウスのサンダース報道官は次のように語りました。
「北朝鮮が具体的な行動を示し、トランプ大統領が何かを得られない限り、会談は行われない」
一方で、トランプ大統領は、ツイッターで、前提条件について触れずに、キム委員長の提案を歓迎していました。しかし、この提案の受諾は、安全保障チームや東アジアの上級専門家との調整なしに行われたと考えられます。アフリカ諸国歴訪を行っているアメリカのティラーソン国務長官は、インタビューで、トランプ大統領本人がキム委員長との会談を受諾していると語りました。
メディアは、キム委員長のトランプ大統領に対するメッセージを持参した韓国のチョン・ウィヨン国家安保室長とトランプ大統領の会談の後、トランプ大統領は速やかにキム委員長の提案を受け入れたと伝えました。
数日前まで互いを完全に消滅させると脅迫していた、アメリカと北朝鮮の首脳会談の可能性に関する報道の発表は、多くの反響を呼びました。
アメリカは、この北朝鮮の要請を北朝鮮に対する対応の成功や、アメリカと同盟国の北朝鮮に対する圧力行使による北朝鮮側の譲歩のしるしであるかのように定義づけようとしています。一方で、北朝鮮はこの決定を、平和を獲得し、核戦争勃発の危険性の払拭に向けた北朝鮮の決意のしるしだとしています。こうした中、政府閣僚から議員までの、一部のアメリカの政治家の反応に注目すると、アメリカは北朝鮮を脅威だとする見方を簡単に放棄しようとしているとは思えません。
この70年間、アメリカは北朝鮮の脅迫を理由として、特にミサイル・核活動により、数千億ドルの兵器を地域諸国に売却し、8万人近くの兵士を日本や韓国に駐留させ、朝鮮半島を世界で最も軍事的な地域のひとつに変えています。朝鮮半島の安全保障問題の解決と、北朝鮮の核兵器廃絶に向けた動きにより、アメリカは地域政策を継続する適切な機会を失うことになります。このため、一部では、キム委員長と握手するところをテレビで見せたいと考えているトランプ大統領個人の意向に反して、アメリカの政治体制は朝鮮半島危機の解決を歓迎していない、と見られています。
アメリカのマイケル・ヘイデンCIA元長官は、トランプ大統領を批判し、次のように語りました。
「私は、この会談が公開され、その中で、アメリカ大統領が北朝鮮の指導者の傍らにいること、そしてこれにより、アメリカ大統領が相手側に合法性を与えることを懸念している。私は、適切な準備もなく、アメリカ大統領がこの会談にのぞみ、そのことにより会談が問題に直面し、長期的な形で、両国の衝突が発生する可能性がより高くなるということを恐れている」
アメリカ国内のこのような対立により、最終的にトランプ大統領とキム委員長の会談は、前提条件が定められることで、行われることがないのです。