視点、サッカー界に波及する、イランのイメージダウンを狙う世論操作
イラン・サッカー協会が17日金曜、AFCアジアサッカー連盟から一通の公式書簡を受領しました。
この書簡には、AFC委員会がイランでの情勢不安を理由に、新シーズン中にイランで予定されていたACLチャンピオンズリーグの試合を中立な第3国で開催することを決定した旨が記されていました。
勿論、イラン側に通達された決定はAFC委員会の見解に基づくもので、AFC理事会はまだ最終見解を表明していません。しかし、イランのAFC代表は、イランのホームゲームを第3国で開催するとしたAFCの政治的な決定に強く反発し、AFCチャンピオンズリーグへの不参加を表明しました。
エステグラール、ペルセポリス、セパーハーン、シャフレホドロー各クラブチームの代表は、「わが国の治安に言いがかりをつける世論操作と抱き合わせの、圧政的な決定には従わない」と表明しています。
エステグラール支配人のハリールザーデ氏は、AFCのこの決定に、「イランは地域で最も安全な国だ。アラブ諸国のこのような虚偽のプロパガンダで、この事実を否定することはできない。我々は第3国での試合開催には応じないつもりだ。それは卑劣な行為に屈するに等しい」と語りました。
ペルセポリスのアンサーリーファルド氏は、「イランは中東・西アジアで最も治安のよい国だ。我々はイランのチームがアジアでのホームゲーム開催に傷をつけるような事は許さない」と述べています。
仮に今回のAFCの決定が確定しなかったとしても、今回の通達が「イランの情勢不安」を吹聴するシナリオに基づいて提起されたものである事を示す兆候があります。この世論操作は、テヘラン開催のプレーオフとして今月20日に予定されていたクウェートのチームとエステグラール戦を前に、事実無根の一報が流されたことから始まりました。今月16日には、一部のアラブ諸国のメディアがクウェートの新聞アル・ライの報道として、「クウェートのクラブチーム・アルクウェートは、イランが抱える現状に注目し、テヘランに赴いてエステグラールとの試合をやる意向はない。このため、第3国でこの試合を開催することを申請している」と報じています。しかし、このような世論操作・風評被害がスポーツ界での政治的な決定にまで発展する一方で、イランサッカー界の関係者は、AFC側に対し、試合の安全な開催に必要な全ての事柄を保証する事を確約しています。
AFCの決定は、サッカーというスポーツに徹底されている規則や精神に反すると同時に、AFCの規約第4条から13条にも反するものです。言うまでもなく試合の観客を集める事による利益を得るのはイランのクラブチームの権利です。AFC規約の第59条と60条に明記されているとおり、同時にイランはCASスポーツ仲裁裁判所に提訴する権利も有しています。
スポーツへの政治の干渉、さらにはスポーツマンシップやその健全性をも汚す決定により、ペルシャ湾岸のアラブ諸国は今度は、サッカー界で自らのコンプレックスの憂さ晴らしをしようとしています。このような状態で今後数年以内に、AFCがイランとサウジアラビアの対立を解消できない中で、この2つの国が対戦する試合を開催できるはずがなく、イランのイメージダウンを狙った世論操作にすぐさま身を乗り出してくることは間違いありません。
サッカー界でこの種の傾向が続いていることは、確実にアジアサッカー界に深刻な問題をつきつけることになるでしょう。これに関する最終決定は、一部アラブ諸国の陰謀によって、この時期にサッカー界をも政治で汚そうとする政治化という穢れた傾向にAFCがどれだけ影響されるのか、それを測る尺度になりうるでしょう。この決定は、規約違反であると同時にFIFA国際サッカー連盟や国家の威信を揺るがす事態でもあるのです。
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