韓国大統領府、北朝鮮最高指導者の健康悪化説に反論、「地方で平常通り活動」

4月 21, 2020 19:15 Asia/Tokyo

北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の健康悪化説に関する報道について、韓国大統領府の姜珉碩（カン・ミンソク）報道官は２１日火曜、記者団に対し、「現在までに北朝鮮国内での特異な動向は見られない」と語りました。

韓国・ヨンハプ通信によりますと、韓国大統領府高官は同通信に対し、「キム委員長が現在、側近等とともに地方に滞在していることを把握している」とし、「キム委員長の健康悪化を裏付ける、これまでにない動向は確認されていない」と述べています。

また、「朝鮮労働党、軍部、内閣にもも非常警戒といった特段の動きは見られない」とし、「キム委員長は通常どおり活動していると見受けられる」と述べた。

さらに、キム委員長が北朝鮮・平壌北方の妙香山に滞在している、との憶測に反論し、「妙香山ではない」としています

もっとも、キム委員長が今月１５日の故金日成（キム・イルソン）主席の生誕記念日「太陽節」に金主席らの遺体の安置場所・錦繍山太陽宮殿を参拝しなかった、という事実には注目している、と語りました。

日本経済新聞によりますと、茂木敏充外相は21日、キム委員長の動静に関して、「新型コロナウイルスの感染状況を含め、高い関心を持って注視、分析してきている」とし、閣議後の記者会見で、金委員長が手術後重体だとする米CNNの報道おめぐる質疑に回答しています。

また、「これまでも様々な臆測や情報が流れていた」と指摘し、「引き続き米国などとも緊密に連携しながら情報収集、分析に全力を挙げたい」としました。

米ＣＮＮは米政府関係者の話として、キム委員長が心臓の手術を受けた後、「重態に陥っている」との情報があると報じました。

北朝鮮専門メディアのデイリーＮＫも２０日月曜、北朝鮮内部の消息筋の話として、キム委員長が今月１２日に心血管系の手術を受けた、と報じています。

これに対し、韓国の政府当局者はキム委員長が最近まで公務を続行してきたことを指摘した上で、「私が知る限りでは、特に健康悪化を伺わせる要素は見られない」と述べました。

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