トランプ大統領批判の「匿名」論説、執筆者が身元明かす
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マイルズ・テイラー氏
2018年に元米政府高官が匿名で米紙ニューヨーク・タイムズにトランプ大統領批判の論説を寄稿した件で、執筆者がニールセン元国土安全保障長官の首席補佐官を務めたマイルズ・テイラー氏だったことが本人により明らかにされました。
米CNNと政治専門紙ザ・ヒルのウェブサイトによりますと、テイラー氏は28日水曜、自身が2018年のトランプ大統領を批判した論説と2019年の暴露本の執筆者であることを明かにしました。
昨年政府の役職を退いたテイラー氏は、インターネット上で、自身はトランプ大統領に職務を遂行する能力がないことについての「証人」であり、「他の米政府職員もこの事実を目の当たりにしていたが、関係者は皆、トランプ氏の『復讐』を恐れて事実の暴露をためらっていた」と投稿していました。
同氏はこの数か月、米政府を公然と批判し、大統領選ではトランプ氏と争うバイデン民主党候補への支持を表明しています。(
テイラー氏は著書の中で、2018年にトランプ政権の高官らが大統領の行動について人々に知らせようと集団辞職を決意したものの、それにより政府がより不安定になることを防ぐために断念したとしていました。
また論説では、政権内の「抵抗勢力」の一員としてトランプ氏の「最悪の性向」を阻止する取り組みを進めていると明らかにしていました。
匿名で執筆した理由についてテイラー氏は、トランプ氏に個人攻撃の機会を与えることなく批判に応答させたかったためだとしています。トランプ氏はこの論説を反逆的と形容していました。
テイラー氏は今回の声明で、匿名を選んだのは「簡単な決断ではなかったし、私自身、葛藤があった」と説明し、現職大統領への深刻な批判を匿名で行うことを問題視する人がいるのは理解できるとしたうえで、「当時の私の論理は明快であり、今でも正しいと思っている」と述べました。
そのうえで「身元を明かさずに批判を展開することで、大統領は侮辱や中傷ではなく、寄稿の内容に直接応答するか、あるいは全く応答しないことを強いられた」と述べ、「議論の内容そのものに注目して欲しいというのが私の考えだった」と言い添えました。
テイラー氏は20年9月からCNNに寄稿しています。これまでは、匿名の論説文の書き手であることを否定していました。
18年にこの論説が執筆された際、トランプ氏は激怒し、当時のセッションズ司法長官に調査を要請しました。ホワイトハウス内では執筆者の身元を突き止めるための内部調査も行われていました。
トランプ氏については、姪のマリー・トランプ氏が彼の金銭的腐敗について執筆するなど、多くの身近な人々がその行動を暴露しています。
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