国連事務総長がコロナワクチン格差解消を訴え　１０カ国のみで７５％を接種

2月 20, 2021 14:23 Asia/Tokyo

国連のアントニオ・グテーレス事務総長が、「世界で供給されている新型コロナウイルスワクチンのうち、７５％がわずか１０カ国で接種されていて、１３０カ国以上は１回目の接種も受けられない状況にある」と指摘して、ワクチン格差の解消を訴えました。

米ＣＮＮによりますと、グテーレス事務総長は、少数の国が世界のワクチン供給の大部分を握っているのは不公平だと強調し、この格差に対応するために、主要２０カ国・地域（Ｇ２０）に対し、世界的なワクチン供給の推進を目指す緊急作業部会の設置を提案しました。

１７日に開かれた国連安全保障理事会のオンライン会合で、グテーレス事務総長は「ワクチンの公平性は、国際社会のモラルが試される最大の課題だ」と訴えました。

デジタルデータベースの「Ｏｕｒ　Ｗｏｒｌｄ　ｉｎ　Ｄａｔａ」によれば、世界でこれまでに接種が行われたワクチンは約１億８８００万回であり、このうち数千万回は米国、中国、英国、イスラエルで接種されています。

グテーレス事務総長は、世界の供給量の４分の３を接種した１０カ国の名指しは避けていますが、米国が含まれるのは間違いありません。米疾病対策センター（ＣＤＣ）によれば、米国では７２４０万回分以上のワクチンが供給され、うち５６００万回以上が接種されています。

グテーレス事務総長が提案した作業部会はＧ２０の主要国・地域で構成され、こうした国が資金やノウハウを提供して、アフリカや中南米など「グローバルサウス」のワクチン接種を支援します。

同作業部会は、新型コロナワクチンの共同購入と公平な分配に取り組む世界保健機関（ＷＨＯ）主導の枠組み「ＣＯＶＡＸ（コバックス）」と同様の機能を果たします。

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