米インド太平洋軍司令官が警告、「グアムは今や中国の標的」 
(last modified Sat, 13 Mar 2021 12:44:17 GMT )
3月 13, 2021 21:44 Asia/Tokyo
  • 米インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン司令官
    米インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン司令官

米インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン司令官が13日までに、中国軍が太平洋上にある米領や米自治領周辺での活動を活発化しているとして、「米領グアム島は今や標的になっている。防衛の必要がある」との危機感を表明しました。

米CNNによりますと、デービッドソン司令官は米上院軍事委員会の公聴会でさらに、中国軍は長い間、台湾や南シナ海など近隣海域で存在感の拡大を試みてきたが、太平洋への進出も強化していると指摘しました。

また、グアム島にあるアンダーセン米空軍基地への爆撃機攻撃を描いた中国のプロパガンダ映像や中国本土からミクロネシア連邦諸島への十分な射程を持つ中国の弾道ミサイルに言及し、その上で17万人の米国市民が住むグアムの防衛は米国本土の防衛に等しいともして、同島へのミサイル防衛システム「イージス・アショア」の配備に必要な経費約16億米ドル(約1744億円)を認めるよう米議会に求めました。

また、グアムは現在、高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)で守られていますが、中国海軍艦船、潜水艦や航空機の搭載ミサイルの脅威に対処し得る360度範囲の防御網を築いていないと強調し、「中国がグアムにもたらすいかなる脅威にも代償が伴うことを見せつけなければならない」と続けました。

イージス・アショアの配備計画は、米国防総省が策定した総額270億ドルを投じる5年計画のインド太平洋抑止力イニシアチブに盛り込まれており、ハワイでの新たなレーダー防衛網構築なども含まれています。

デービッドソン司令官は、中国軍の軍事力増大を警告し、インド太平洋地域での防衛費増額を求めました。

 

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