欧州6基地の米核兵器情報が取材受け削除か、学習支援サイトで「一般公開」

調査報道・検証サイト「ベリングキャット（Bellingcat）」が28日金曜、欧州で核兵器を警備している米軍部隊が人気のある複数の学習支援サイトを利用し、核兵器の正確な位置や最高機密の安全保障上の規定がネット上でだれでも閲覧できる状態になっていたと報じました。

フランス通信が29日土曜、報じたところによりますと、記事を執筆したフーケ・ポスマ氏の話では、核兵器関連の一般的な用語をネットで検索しただけで、欧州で核兵器が配備されているとされる基地、全6か所の軍関係者向けのフラッシュカードを見つけることができたということです。

学習支援サイト「チェグ」には、「Study！（勉強しなさい！）」というタイトルが付けられた70枚のフラッシュカードがあり、オランダのフォルケル空軍基地にある核兵器保管施設の具体的な情報が記されていました。

あるカードには、「フォルケル空軍基地にWS3施設はいくつある？」という問題があり、「11」という正解も示されていました。

なお、「WS3」とは「兵器保管と保安システム（weapons storage and security systems）」を意味しています。

別のカードには、保管施設11か所のうち5か所は実際に核爆弾がある「ホット」な状態、残りの6か所は核爆弾がない「コールド」な状態だと書かれており、どの施設がホットでどの施設がコールドなのかも明記されていました。

ベリングキャットが発見したフラッシュカードは、2013年には一般の人がアクセスできる状態になっており、一部は2021年4月の時点でも使用されていました。

これらのフラッシュカードは、べリングキャットが記事の公開に先立ちNATO北大西洋条約機構と米軍にコメントを求めた後に削除されたとみられるということです。