米国境で希望絶たれるハイチ移民
ここ数か月で多数のハイチ人が、米国での新しい生活を求めて北上し、メキシコ南部にたどり着いているものの、米国境で足止め、強制送還されるケースが多発しています。
フランス通信が22日水曜、報じたところによりますと、移民たちは、長く過酷な旅が無駄に終わるのではないかと不安を募らせています。
住んでいたチリから2か月近くかけてたどり着いたハイチ人男性(28)は、数千人の移民と同じく橋の下の吹きさらしのキャンプで立ち往生しているとし、「みんな米国に行くのを夢見ているのに、今や強制送還されている」、「私たちは絶望している」と語りました。
流れにのまれないようロープにつかまり必死に川を渡り、子どもを肩車している人やかばんを頭に乗せている人もいるほか、米国境で足止めされたハイチ移民が、食べ物や水、医療を求めリオグランデ(Rio Grande)川を渡り、メキシコへ引き返している、というのが現状です。
米テキサス州デルリオから国境を越えてメキシコ・シウダードアクニャへ入る際、メキシコ当局に拘束される可能性も少なくありません。
国連は21日火曜、米国が大勢のハイチ移民を強制送還したことに「深刻な懸念」を表明。本当に亡命を希望している人が危険にさらされる恐れがある、として警告しました。
一方、米国の国土安全保障省のアレハンドロ・マヨルカス長官は今月20日、ハイチ人の間に「一時保護資格(TPS)」に基づく難民として米国に滞在できるという誤った情報が伝わっている、と指摘しています。
TPSは2010年のハイチ地震の後、米国から帰国できなくなったハイチ人に適用されていますが、今年7月7日のモイーズ大統領暗殺に伴うハイチでの政治的混乱を受け、米当局はTPSの適用を7月29日以前に米国内にいたハイチ人にも拡大していました。
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