デンマークの孤児に関する数百の機密実験をCIAが支援
12月 30, 2021 16:08 Asia/Tokyo
デンマークで最近公開された資料文書から、CIA米中央情報局が1960年代初頭に、孤児を中心としたデンマークの子どもたちを対象に統合失調症に関する機密実験を支援していたことが判明しました。
ロシアのニュースチャンネル・ロシアトゥデイによりますと、デンマークのラジオ・ドキュメンタリー番組「TheSearch for Myself」は、CIAが同国首都コペンハーゲンにて、地元当局の監督下にある病院での実験を支援した、としています。実験の目的は、遺伝もしくは環境から発病した統合失調症患者との意思疎通に関する調査でした。
この報道では、子供の頃に実験に参加したと語る人物の1人、パー・ウェニック氏は、「自分は電極をつけるために椅子に座らせられ、キーンとした音を聞かされた。この実験の目的はおそらく、子供が精神病質の特徴を持っているかどうかを調べることだった」と述べたということです。
ウェニック氏は、自らの忌まわしい体験を語る中で、「実に不快なものだった。これは私の話であるだけでなく、多くの子供たちの話でもある。これは、この社会の市民としての私の権利の侵害だったと思う」と語りました。
ウェニック氏によりますと、このプロジェクトは、アメリカの保健医療サービスを財源として、CIAの管轄下にあるヒューマンエコロジー財団の支援を受けていたということです。
実験対象の子どもたちには研究中、あるいは研究後にもこの実験の目的は知らされていなかった一方で、1977年にデンマークの精神科医がこの研究の詳細を記した論文を発表しました。