アムネスティ、「バイデン大統領はグアンタナモ収容所閉鎖の公約守るべき」
アメリカがグアンタナモ収容所を設置してから間もなく20年を迎えるにあたり、国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルが同国のバイデン大統領に対し、同収容所閉鎖の公約を実現するよう求めました。
ドイツの国営放送局ドイチェ・ヴェレは8日土曜、ウェブサイトにおいて「グアンタナモ収容所は、キューバ・グアンタナモ湾に位置する米軍基地内にあり、非人道的な激しい取調べによって悪名を馳せている」としました。
同収容所の批判者らによれば、この収容所で容疑者に行われている取調べは残虐な拷問とほぼ同じだということです。
アムネスティ・インターナショナルのDaphne Eviatar人権安全部長は声明において、「この収容所の開設期間が長くなりそれが利用されるほど、その時間の分だけ、米国の人権支援における信用度は世界レベルで影響を受ける」と強調しました。
グアンタナモ収容所が2002年1月12日に開設されてから、およそ780人がここに収容されてきましたが、彼らにかけられた犯行の容疑は未だに立証・確定されていません。
同収容所にはいまだ39人の収容者がおり、世界貿易センターなどを狙った9.11米同時多発テロで計画立案を行ったとされるハリド・シェイク・モハメド容疑者もその中に含まれています。
このテロから20年が経過しているものの、同容疑者に関しては、事件の追加審理などで延期が度重なったために最終判決が出ない状態のまま時が過ぎ、現時点では次の裁判の開廷日もはっきりしていません。
アメリカのオバマ元大統領は2009年、グアンタナモ収容所閉鎖の指示を出しましたが、任期中にそれを実現することはできませんでした。
その後に就任したトランプ前大統領は、同収容所を維持しようとしました。
バイデン大統領は、選挙戦において任期中にグアンタナモ収容所を閉鎖するという公約を掲げましたが、就任からこれまでに実際的な行動を取ってはいません。