米が世界で初めて、遺伝子操作したブタの心臓の人への移植に成功
(last modified Tue, 11 Jan 2022 07:05:19 GMT )
1月 11, 2022 16:05 Asia/Tokyo

アメリカ・メリーランド大学が、遺伝子操作により拒絶反応が起こりにくくしたブタの心臓を、人間に移植することに世界で初めて成功したことを明らかにしました。

アメリカのメリーランド大学医学部の研究チームは10日月曜、遺伝子を操作したブタの心臓を、心臓疾患の男性に移植することに、世界で初めて成功したと発表しました。

研究チームによりますと、移植を受けたのは、不整脈で入院している57歳の男性で、症状が重いため通常の心臓移植の対象にならず、ほかの治療法では回復が見込めない状態だったということです。

手術は今月7日に行われましたが、3日後の10日現在も、男性の容体は安定しているということです。

移植に使われたブタの心臓は、再生医療の実用化に取り組むアメリカの企業が作ったもので、10か所の遺伝子を操作して、拒絶反応が起こりにくいようにしています。

移植にあたっては、アメリカFDA食品医薬品局が、人命に関わる疾患で、ほかに治療の方法がない場合にかぎり、承認前の医療技術を使えるようにする、いわゆる「人道的使用」の許可を出したということです。

遺伝子操作した動物の臓器を、ヒトに移植する技術をめぐっては、各国で研究が進んでいて、アメリカではニューヨーク大学が去年、遺伝子操作したブタの腎臓を、実験的に脳死状態の人に移植する手術を2例、行っています。

動物の遺伝子を操作して、人間に移植できる臓器を作り出す研究は各国で進められており、今後臓器の安全性が確認され、規制当局から治療法として承認されれば、将来的に移植用の臓器の確保につながる技術として期待されています。

 


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