ロシア副首相、「クリル開発で応える」
(last modified Tue, 26 Apr 2022 08:29:51 GMT )
4月 26, 2022 17:29 Asia/Tokyo
  • クリル諸島
    クリル諸島

ロシアの極東連邦管区大統領全権代表のユーリ・トルトネフ副首相が、クリル諸島(北方領土と千島列島のロシア側呼称)に関する日本側の表明に対し、「ロシアはクリル諸島の領土の開発を進めることで応える」と語りました。

ロシアの極東連邦管区大統領全権代表のユーリ・トルトネフ副首相

 

 ロシア・スプートニク通信が26日火曜、報じたところによりますと、トルトネフ副首相は、クリル諸島をロシアがあたかも「不法占拠」しているかのような日本側の声明に対して、「ロシアはクリル諸島の領土の開発を進めることで応える」と表明しています。

これに対し、日本の松野官房長官は同日の記者会見で、トルトネフ副首相のこの発言に関して、「北方四島はわが国が主権を有する島々であり、わが国固有の領土だ。あたかも北方四島がロシアの領土となったかのようなロシア側の主張は全く受けられない」としました。

そして、「また『ロシア法令』に基づくことを前提として、北方四島を含む地域の経済開発に関する『特恵制度』を導入することや、日本企業及び第三国企業にそのような経済開発への関与を広く呼びかけることは、北方四島に関する日本の立場や首脳間の合意に基づき日露間で議論してきた北方四島における共同経済活動の趣旨とは相いれない」と述べ、「このような日本側の立場については、これまでもロシア側に対して随時申し入れをしてきている」と述べています。

一方、日本の報道各社によりますと、トルトネフ副首相のこの表明は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて日露関係が急速に悪化するなか、日本を揺さぶる狙いがあると報じられています。

日本は令和4年版の外交青書で、ウクライナにおけるロシアの特殊軍事作戦を軍事侵攻として強く批判するとともに、北方領土に関しては「日本固有の領土であるが、現在ロシアに不法占拠されている」との表現を復活させていました。

 


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