ウクライナ・アゾフスタリ製鉄所で、民間人の脱出が開始
停戦成立に伴い、ウクライナ軍アゾフ部隊の司令官の1人が、同国南部マリウポリにあるアゾフスタリ製鉄所の隣接地から一定数の民間人が自力で脱出したことを明らかにしました。
イギリスの新聞ガーディアンによりますと、アゾフ大隊のスヴィアトスラウ・パラマル副司令官は30日土曜夜、「停戦の成立に伴い、我々は女性や子どもを含む民間人約20人を、製鉄所の瓦礫の下から救い出し、彼らを安全な場所に脱出させることに成功した」と表明しています。
一部の報道によりますと、アゾフスタリ製鉄所にいる2000人のウクライナ兵がロシア軍に包囲されているということです。
一方、ドネツク人民共和国の領土防衛本部は、ウクライナ南部マリウポリにあるアゾフスタリ製鉄所の隣接地から30日、少なくとも28人が自力で脱出し、退避したことを明らかにしました。
領土防衛本部の声明では、「4月30日、アゾフスタリ製鉄所のエリアから2つのグループが退避してきた。ドネツク人民共和国防衛本部が確認したところによると、避難者28人のうち、高齢の女性や男性、子供(うち1人は生後4ヶ月の赤ちゃん)がいた」と述べられています。
国連のグテーレス事務総長は現地時間の先月28日、マリウポリからの民間人避難のため、人道回廊の再開を求めました。
マリウポリは、ウクライナで最大の産業・学術の中心地の1つであり、同国東部ドネツク州で2番目に大きな都市です。
なお、ショイグ・ロシア国防大臣は先週、「ロシア軍はアゾフスタール製鉄所以外のマリウポリ市内全域を制圧した」と発表しました。
また先月16日、ロシア国防省のイーゴリ・コナシェンコフ報道官は、マリウポリの全領土からウクライナ軍、外国人傭兵、アゾフ連隊のネオナチが排除されたと発表しました。
さらにロシアのプーチン大統領は先月26日、同製鉄所は完全に孤立していると発表しました。