オーストリアが、ロシア産ガスのルーブル決済を受け入れ
オーストリアのエネルギー企業OMVは、ロシア産ガスのルーブル決済を受け入れることを表明しました。
イルナー通信によりますと、同社幹部は、ルーブル決済について「何ら問題は存在しない。オーストリアは5月もロシア産ガスの代金をルーブルで支払っている」と述べました。
ロシアは今年3月、西側諸国による制裁行使をうけて、「非友好国」がロシア産ガスを購入する場合、ロシアのガスプロム銀行に口座を開設し、そこにルーブルで入金するといった新たな条件を提示しました。
OMV幹部は以前にも、「EUはロシアに代わるガス輸入先を短期間のうちには見つけられない」と述べていました。
オーストリア産業協会も先月、ロシア産ガスの輸入が途絶えた場合、30万の雇用機会が危機に晒されると警告していました。
オランダ、ポーランド、フィンランドなどのEU各国、およびデンマークやドイツの一部企業はロシアが提示した条件を受け入れず、ガスの供給が停止されました。
アメリカおよびそのほかの西側諸国は、今年2月24日に始まった、ウクライナにおけるロシアの特殊軍事作戦への反応として、大規模な対ロシア経済制裁を行使してきました。
しかし、西側諸国はこれらの一連の制裁を行使する一方で、石油・天然ガスをはじめとする経済分野での対ロシア制裁の強化により、ヨーロッパ経済や世界のエネルギー市場の状況がこれまで以上にかく乱されることを危惧しています。
これまでロシアに対し行使された各種の制裁により、ヨーロッパ経済は大きな問題に直面しています。
ロシア産の農産物や肥料の引渡しの増加により、世界の農業市場における緊張は緩和される可能性がありますが、そのためには対ロシア制裁の解除が必要となります。