ファジルの響き(2)【音声】
今日、あらゆる大小の文化イベントに、人々が参加しています。ファジル国際音楽祭も、多くの来場者がありました。これまでにおいても、ホールの収容人数が限られている場合、多くの人々がホールの外に立っていました。今年のファジル国際音楽祭で初めて、より多くの人がこの音楽祭を求めることができるよう、オンラインでコンサートの様子を放映するようになりました。
そのほか、この国際音楽祭の賞であるバールバド賞が、あらゆるジャンルにおけるイランの音楽作品の信頼ある評価基準になったことが、希望ある出来事だといえます。今回のファジル国際音楽祭の主催者の努力により、バールバド賞は、ファジル国際音楽祭の最も魅力的な要素となり、通年、音楽作品を作り出し、音楽活動を行う人々に影響を与えることができるようになったのです。
バールバド賞は、イラン暦の秋のはじまりから翌年の秋までに出された、すべてのジャンルのアルバムを対象とし、ファジル国際音楽祭で審査された後、賞が授与されます。
ファルハード・ハラーティー率いる合唱グループ「ナーミーラー」と、アリーレザー・シャファギーネジャード主宰のイラン・フィルハーモニー交響楽団は、合同でファジル国際音楽祭でコンサートを行いました。初の合同コンサートでは、音楽で地球に対する人間の怒りを表現し、影響力ある演奏を行いました。
合唱グループ「ナミーラー」のメンバー150人が出演したこのコンサートは、前回のコンサートと同じように、来客の歓迎を受け、環境問題や、地球上での人間の生活に関する音楽作品を演じました。
人生、欲望、戦争、移住、寄る辺のなさ、氷山、反抗、怒り、死、聖地などが、このコンサートで演じられた音楽のテーマです。環境の消滅とそれにおける人間の欲望、乱獲とそれによる動物の死、温室効果ガスの効果と、環境破壊、動物の集団自殺、エイズの犠牲者、戦争による人道的悲劇といった内容が、音楽の演奏とともに映像で映し出されました。
この中で、「聖地」という作品は、そのテーマから、世界各地で演奏することができるすばらしい作品でした。
今年のファジル国際音楽祭の国際部門には、日本の和太鼓グループ「彩」などの十数の音楽グループやアーティストが参加しました。国際部門では、世界各地の優れた音楽家が招聘され、演奏を行いました。スペインのギタリスト、ディエゴ・デルモラオと、タジキスタンの歌手、ドウラトマンド・ホロフ、ポルトガルのファディスタ、アントニオ・ザンブージョ、アルメニアの吹奏楽器ドゥドゥクの世界的な演奏家、ジヴァン・ガスパリアンなどがこういった音楽家としてあげることができます。
ドウラトマンド・ホロフこと、ドウラトマンド・ハールザーデはタジキスタンの歌手・演奏家で、タジキスタン南部の地方音楽における巨匠です。彼の作品は神秘主義的で、ペルシャ語詩人のモウラヴィーの詩に基づいてアレンジされています。ホロフは残念ながら、イランを訪れる過程で、家族の不幸があり、また彼自身の体調も非常に悪化したことで入院し、今回のファジル国際音楽祭に参加できませんでした。
アルメニアの巨匠ジヴァン・ガスパリアンは、ファジル国際音楽祭初日にグループでコンサートを行い、それは記憶に残る夜となりました。ガスパリアンは2部のプログラムを連続して行いました。彼は数十年にわたる彼のキャリアによる、難しいテクニックを含んだ深遠な感情表現を用いて、聴衆を沸き立たせました。
インドの弦楽器シタールのシャヒッド・パルヴェズ・カーンと打楽器タブラのアクラム・カーンも、この音楽祭で演奏しました。シャヒッド・パルヴェズ・カーンはイランでの演奏を大きな栄誉で、インドの音楽を紹介する機会だとしました。