イマーム・レザーと生活様式(7)イマーム・レザーから見た衛生と清潔
肉体と精神の衛生はイスラムの生活様式において最も大事な柱のひとつです。
シーア派のハディースや伝承では、清潔な身だしなみや入浴の大切さが非常に強調されています。預言者とファーテメそしてシーア派の12人のイマームたちからなる聖なる14人のお方たち(彼らに平安あれ)や、シーア派の指導的立場にある人々の行状でも、これに関する様々なしきたりや諸規則について示されています。イスラムにおいて精神性と清潔さは密接な関係があり、これをよく示す点として、イスラムでは礼拝前などに身体を清める宗教的沐浴の諸規則が多数あります。礼拝前の宗教的沐浴に関する諸規則は「必ず行わなければならない」あるいは「行うことが望ましい」もので、いずれも、礼拝に関する諸規則と密接に関わったかたちで規定されています。イスラムでは、様々に定められた礼拝前の宗教的沐浴をきちんと行うことによって、礼拝、断食、巡礼などの宗教的儀礼の功徳がいっそう高まるとされています。
偉大なる預言者ムハンマド(神が彼と彼の一族を祝福し平安を与え給えますように)は、毎晩3回も歯を磨いていました。就寝の前、真夜中の祈りのために起きた時、明け方の礼拝に赴く前の3回です。預言者(神が彼と彼の一族を祝福し平安を与え給えますように)の血を引くシーア派8代目イマーム・レザー(彼に平安あれ)は、清潔と衛生の重要性について次のように述べています。
「清潔と衛生は預言者の聖なる徳のひとつである。」
外見上の衛生と清潔さは、イマーム・レザー(彼に平安あれ)にとって特別な重要性を持っていました。イマーム・レザー(彼に平安あれ)はこの点について、次のように述べておられます。
「一日おきに入浴し、身体を清め洗わなければならない。」
イマーム・レザー(彼に平安あれ)は他にも、入浴の大きな効能について述べています。
「入浴には多くの注目すべき効能がある。まず、入浴は人間の健康状態や気質を程よい中庸の状態にする。そして、垢や汚れを落とし、大小様々の血管を柔らかくほぐし、身体の様々な器官を強くする。また入浴は、身体の中の余分な残留物を排出し、汚染によるけがれを取り除く。」
イマーム・レザー(彼に平安あれ)は衛生に関する別の教えとして、歯磨きの重要性についても述べています。現在のような歯ブラシのなかった時代に歯ブラシとして用いられていたのは、特別な木の枝の先端をブラシ状に裂いて作ったもので、古くから人々はこの木製歯ブラシで歯を磨いていたそうです。
イマーム・レザー(彼に平安あれ)の別の教えは、家庭においても社会においても人々がきちんとした身なりをすることでした。ハサン・ビン・ジャフムは次のように述べています。
「ある日、とても整った様子をしたイマーム・レザー(彼に平安あれ)に出会ったので、髪を染めたのですか?と尋ねたところ、こう仰いました。『そうだよ、ヘンナで染めたのだ。これには非常に多くの効能があることを知らないのかい?君が、君の妻が髪を美しく染めているのを見るのが好きなのと同じように、君の妻も、君が髪を美しく染めているのを見るのが好きなのだよ。』」
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