文化の夏1
https://parstoday.ir/ja/radio/iran-i34048-文化の夏1
この番組では、数回に渡って、夏の間のイランにおける文化イベントをご紹介する予定です。 イランでは、絵画、写真、彫刻、グラフィックデザイン、書道、伝統芸術などの芸術展が、夏の間、数多く開催されています。テヘランで開催されているギャラリーに足を運んでみました。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
8月 16, 2017 20:10 Asia/Tokyo
  • 文化の夏1

この番組では、数回に渡って、夏の間のイランにおける文化イベントをご紹介する予定です。 イランでは、絵画、写真、彫刻、グラフィックデザイン、書道、伝統芸術などの芸術展が、夏の間、数多く開催されています。テヘランで開催されているギャラリーに足を運んでみました。

まずは、イラン芸術家の家で開催された「フロンティア」という陶芸展をご紹介しましょう。

 

陶器は、色や質、音に特徴があり、また、現代の世界において、人間は、フロンティア・境界という問題を抱えています。陶器も芸術と工業の間の境界にあり、絵画や彫刻といった多様な分野に効果的に使われていることから、今年の夏の陶芸展では、「フロンティア」がテーマとなされました。この陶芸展は、陶器の特徴を利用して現代世界の関心事を表現する目的で開催されています。

 

フロンティア、境界線は、2つの事柄の間の距離を反映しており、実際、境界線は、2つの間を分けるものです。境界線は、ひとつの領域や支配の象徴と定義することができます。この言葉を政治や地理のみに限定することは簡単ですが、より深い定義として、人間の個人的、社会的な生活にもあてはめることができます。例えば、自分と他人の境界線、性別、社会階層、道徳、信条、文化、そして芸術にも適用することができるのです。

 

このように、境界線を決定することは、政治、地理、経済、文化、芸術の点で、人間の関係に大きな影響を及ぼします。人間は、ある時代、多くの問題において境界線を引くことにより、社会の発達に向かいました。また時には、その境界線を破ることにより、その方向を変更しました。この中で、伝統から離れることにより、現代的な境界が明らかになり、芸術の境界が取り払われました。陶芸展「フロンティア」は、境界に関する新たな見方を持った芸術家の作品展となっています。

 

テヘランのラーレギャラリーでも、夏の間、絵画や彫刻の芸術作品展が開催されています。この展覧会に出品された作品の多くは、イランの神話や伝説を思い起こさせるもので、それぞれが、新たなアプローチによって空想上の人物を作り出そうとしています。作品の多くは、鉄くずを集めて作られたものですが、中には、陶器でできたものもあります。この展覧会は、イランの伝説や文学作品の一部を紹介するものとなっています。

 

現在、テヘランにある文化会館で、イランの巨匠の作品展が開催されています。この作品展では、イランの著名な芸術家の彫刻作品の他、学術、文化、芸術の分野で活躍した240人の写真が壁に展示されています。

 

1979年のイスラム革命勝利後、イランでは毎年、学術、文化、芸術の分野で活躍した人物が紹介されています。この展示会では、こうした人々の写真が展示されるとともに、彼らの書道や絵画といった芸術作品が公開されています。

 

このほか、重要な芸術イベントに、テヘランでの芸術作品のオークションがあります。このオークションは7度目の開催となりました。テヘラン・オークションは、安心してイランの現代的な芸術作品を手に入れることのできる、文化的、経済的なイベントとなっています。

 

テヘランオークションは、現在、イランの現代芸術の経済における大きな出来事となっています。このオークションは、国内の芸術マーケットのニーズにこたえたもので、当初から現在まで、イランの現代芸術の最も代表的な作品を提供し、その質と量を向上させることを目指して実施されています。

 

テヘランオークションが初めて開催されたのは2012年のことで、70人の芸術家が73作品を提示しました。これらの作品は、絵画、書道、彫刻、写真の4つに分類されました。オークションに出品された絵画もまた、ポップアートや風景画、抽象絵画、書道絵画などの4つのジャンルに分けられました。絵画は最も売り上げの高い部門となりました。

 

2回目のテヘランオークションは、2013年に開催され、見学者は100人から800人に増えました。また、79人の芸術家が82作品を出品しました。作品の売上額は、イランの芸術市場の経済的な成長を示しています。

 

3回目のテヘランオークションは、2014年に開催され、87人の芸術家から90作品が提出されました。この回には、芸術家の他にも、イスラム文化指導大臣などの政治家や経済関係者も参加しました。また、オークションの最低価格は、最初の年から2回目の年までには114%、2回目から3回目には58%、前の年よりも増加しました。さらに、この回には、提示価格を500%上回る記録も生まれ、これはこの市場の安定と顧客の信頼を示しています。

 

4回目のテヘランオークションには、109人の芸術家が126作品を提示しました。この回も、それまでの回と同様、価格の記録が更新され、ソフラーブセぺフリーという芸術家の「木」という作品が最高価格で落札されました。

 

2016年のテヘランオークションは、例年とは異なり、2回に分けて開催されました。1回目の特徴は、政府関係者が参加したことで、2回目は、現代芸術作品の全体が出品の対象となったことです。6回目となったこのオークションには、絵画、写真、彫刻など、120作品が出品されました。

 

こうした中、今年の夏の初めに開催された7回目のテヘランオークションでは、再び、ソフラーブセぺフリーの木という作品が、最高価格で落札されました。

 

テヘランオークションは、イランの芸術経済の成長に肯定的な影響を与えています。オークションは、芸術に明確な方向性を与えたり、芸術スタイルを編み出したり、といったことはないものの、若い才能のある芸術家を紹介したり、芸術を成長させる上で大きな影響を及ぼし、このオークションが掲げた目標を達成することができています。その目標のひとつに、国内と世界の価格の差を縮めることがあります。これまでは、国外での芸術作品の価格が上昇していたにもかかわらず、イラン国内では低価格で取り引きされていました。

 

テヘランオークションは、世界的なオークション以上の価格で売られた作品もあり、視覚芸術の価値を高め、芸術経済を助ける存在となっています。また、このオークションが視覚芸術に集中しているため、この芸術への投資家の注目が集まるようになっています。