2月 01, 2018 22:28 Asia/Tokyo

今年もイランの音楽ホールで、冬の寒さを吹き飛ばすように、ファジル音楽祭が開催されました。第33回ファジル音楽祭は、優秀作品の発表により、今月20日に幕を閉じました。

 

第33回ファジル音楽祭の国際部門では、「文化の国、イラン」をテーマに、多様性を活かす努力が行われました。イタリアの若手サックス奏者のフランチェスコ・カフィーソ、世界的なドラマーのマヌ・カシェ、モンゴルのエグシグレン・グループ、アフガニスタンの弦楽器ルバーブの演奏家ホマユン・サキ、トルコの著名なミュージシャンであるエルカン・オグルといった音楽家が、今回のファジル音楽祭に参加しました。

 

第33回ファジル国際音楽祭でのシャヒード・パルヴェーズ・カーンの演奏

 

この音楽祭に参加したそのほかのアーティストに、インドの弦楽器シタールの巨匠、シャヒード・パルヴェーズ・カーンや、イラン・オーストリア合同交響楽団、ポルトガルの若手ファド歌手のリカルド・リベイロ、ドイツのクラシック楽団のクレンケ・カルテット、フランスのトリオ・ショーソン、セルビアのルネッサンス楽団やセネガル、中国、スロベニアのアーティストなどを上げることができます。

ポルトガルのファド歌手、リカルド・リベイロとその楽団はこの音楽祭の7日目に公演を行う 

 

イタリアのテナー歌手、マルコ・ビーズリーも、今回のファジル国際音楽祭で公演を行いました。歌などに関する彼の個人的な研究は多くの人の歓迎を受けました。2009年、オランダのコンサート・演劇協会は、ビーズリーをその年の最優秀コンサート賞にノミネートしました。ビーズリーは、大変人気のあるアルバムを数多く世に出しています。

 

 

ビーズリーのプログラムが多くのイラン人の観客に受けるのと同時に、世界的なフランスのドラマー、マヌ・カシェのコンサートも成功を収めました。マヌ・カシェはスタジオだけでなく、コンサートの場でも活躍しているアーティストです。

マヌ・カシェ氏

 

マヌ・カシェは独自のスタイルを追求しているアーティストです。彼は国際的なアーティストのピーター・ガブリエルやスティング、日本の宮沢和史などの作品にドラマーとして参加し、現在は自身を中心としたグループで、ワールドツアーを行っています。このアーティストはこれまで、自身の名義で6枚のアルバムを出し、これらは世界でも大変人気があります。

 

トルコの弦楽器バーラマや、ギターを演奏するエルカン・オグルも、この音楽祭で演奏しました。エルカン・オグルは、トルコの著名なミュージシャンで、トルコのフォークロア音楽を演奏、歌い、また映画音楽を作曲していることで知られています。彼は、トルコでよく知られたメロディーに、ジャズ的な基準による新たな要素を入れています。

第33回ファジル国際音楽祭での地方音楽の演奏

 

また、ファジル国際音楽祭の地方音楽の部では、イランのさまざまな民族の音楽家や音楽グループも、各ホールでコンサートを行いました。モハンマド・エスハーク・バルーチが率い、イラン南東部のサラーヴァーンやイーラーンシャフルの優れたミュージシャンによる、マクラーン沿岸部のグループによる、「バルーチェスターン音楽の夜」という特別プログラムは、この音楽祭の魅力的なプログラムのひとつでした。

そして、イラン北西部のマハーバードのグループも、クルド文化を紹介するため、そして南部ブーシェフルのアミール・ミールシェカーリー率いるグループ、「ネイマヘ」もコンサートを行い、聴衆の大きな歓迎を受けました。

また、南部ホルモズガーン州やブーシェフル州、フーゼスターン州の優れた音楽家によるコンサートもイラン南部・ペルシャ湾のホルモズ島のグループの演奏と共に、特別プログラムとして行われました。

イラン北部のギーラーン州のディラムーン・グループや、モハンマド・バージャラーヴァンド率いるイラン中部ロレスターン州の音楽家グループ、イラン北部のマーザンダラーン州のマーザルーン、北東部トルキャマン・サフラー平原のグループ、北東部ホラーサーン州のグループ、北西部アーザルバイジャーン州のアシグラール・グループ、そのほかの音楽グループがこの音楽祭に参加しました。

才能ある若い音楽家が国のイベントに参加する目的で結成された、6つの部族の若者の音楽グループも、ファジル音楽祭の期間にコンサートを行いました。このグループの特徴は、中部ロレスターンやバフティヤーリー族や、トルキャマン族の居住地、西部コルデスターン、北東部ホラーサーン地方や、北西部アーザルバイジャーン地方出身のイランの少数民族音楽の第一人者が演奏者として参加していることです。

 

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