慈愛の預言者、ムハンマド(3)
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慈愛の預言者、ムハンマド
イスラム暦9年、西暦630年、タイ族がイスラム教徒に加わったとき、この部族の有力者の一人であったハータムターイーの息子アディは、現在のシリアにあたるシャームの土地に逃れました。しかし、彼の姉妹のサファーネは捕虜となり、メディナに連れて来られました。
預言者ムハンマドは、ハータムターイーへの敬意から、信頼できる人物に、サファーネをシャームに連れて行くよう指示しました。アディはこう語っています。
「サファーネは堂々とした態度でシャームにやって来て、彼女を残して逃げ去った私を責めました。後日、賢き女性サファーネに、『預言者ムハンマドとはどのような人物だったか?』と尋ねました。するとサファーネは答えました。『神に誓って、彼は栄誉に溢れた人物でした。彼に加われば、偉大さと栄誉の世界に入ることができましょう』」
アディはまた、このように語っています。
「久しぶりにメディナに行った。預言者ムハンマドに会いたいと思っていた。彼はモスクにいた。私は彼のもとに赴き挨拶をした。彼もそれに温かく応じてくれた。私が自己紹介をすると、預言者の家へと連れて行かれた。道の途中で貧しい老婆に出会った。この老婆は施しを求めた。預言者ムハンマドは長い時間そこに留まり、その老婆に問題の解決策を教えていた。私はこう考えた。“神に誓って、この人は国王ではない。国王や為政者であれば、人々に直接語りかけることはない” 預言者の家に到着すると私は温かく迎え入れられた。私の座る場所には敷物が置かれ、彼は床に座った。その行動の中に、預言者としての別のしるしを見る想いがした。預言者ムハンマドが、私の人生について、彼しか知らない秘密について触れたとき、彼は物事の深いところまでを理解していることを悟った。これらの事実、そして魅力に溢れた預言者ムハンマドの人格により、私は彼に魅せられ、その場でイスラム教徒となった」
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