預言者ムハンマドのメッセージと団結週間
(last modified Thu, 13 Oct 2022 13:08:00 GMT )
10月 13, 2022 22:08 Asia/Tokyo

イスラムの一部の歴史家によれば、ラビーオルアッワル月12日は、神の最後の預言者であるムハンマドの生誕日です。

しかし、一部の確かな資料によれば、ムハンマドの生誕日は、ラビーオルアッワル月17日とされています。そのため、イランは、この12日から17日の期間をイスラム教徒の団結週間と名づけました。世界のイスラム教徒も、このイランのイニシアチブを歓迎し、この期間は共に、預言者ムハンマドの生誕を祝っています。団結週間は、イスラム教徒が心を近づけ、イスラム世界の敵に対して連帯するための機会となっています。

カアバ神殿の空に預言者の光が現れたとき、この神の使徒が、無知の眠りから人類を救うために多くの教訓や言葉をもたらすとは誰も考えていませんでした。ムハンマドは、信仰、清らかさ、尊厳を持って、人類を導く道を歩み、唯一神信仰を叫ぶことで、真理を強く求める人々の心に精神性を植えつけました。

 

預言者ムハンマドは、イスラム共同体の指導者となり、敬虔な人々の連帯をスローガンに、イスラム教徒の間の対立を同胞愛に変えました。預言者は、同胞愛を維持させるため、次のようなメッセージをすべての人に送りました。

「すべての人が神の手綱を握り、散らばってはならない」

預言者ムハンマドの誕生を祝い、その生誕日をめぐるシーア派とスンニー派の2つの説の間の期間を、連帯のための機会としましょう。

イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、次のように語っています。

イスラムの預言者の存在は、イスラムのすべての時代における統一の最大の源となってきた。現在もそうすることが可能である。なぜなら、イスラム教徒のその神聖な存在を信じる心は、敬愛を伴っているからだ。そのため、預言者ムハンマドは、すべてのイスラム教徒の愛情と信仰の中心であり、それは、イスラム教徒の心を近づける要素のひとつとなっている」

ハーメネイー師

 

注目すべきなのは、預言者ムハンマドが、世界的な使命を担っていたことです。預言者ムハンマドは、無知を排除し、真理を広めるためにこの世に生まれました。現在も、物質主義という魅力の影で、人間は、現代的な無知という重荷を背負うことになっています。そのため現在も、人々は、道徳や精神性、明らかな知識を必要としているのです。

預言者ムハンマドの生誕日の期間には、人類社会に公正や道徳が贈られます。現在、私たちが住む世界は光を必要としており、それは啓示による教えを通する以外には不可能です。預言者ムハンマドは、友愛、自由、安全の象徴です。預言者を信じる人々には、世界を腐敗に引き込む心の卑しさや穢れを取り払い、賢明な人生と正しい理解にいたることが求められています。

 

イスラム教徒が個人的、社会的な行動と統治のモデルを、イスラムの教えによって決定するとき、それは、預言者ムハンマドのメッセージを世界に伝えることになり、彼ら自身も、栄誉を手にすることになります。現在、イスラム教徒の間では、イスラム的な精神がますます高まっています。この大きな力が合わさり、内側から精神的な美徳に満たされれば、イスラム世界だけでなく、人類全体が、公正な世界を実現することができるでしょう。

 

神の最後の預言者であるムハンマドは、部族主義を排除し、人々の間に信仰に基づく関係を作ることで、最高の宗教を世界の人々に提示しました。この、神と預言者による完全で包括的な宗教は、イスラム教と呼ばれ、その信者はイスラム教徒として知られています。唯一神の信仰、預言者ムハンマド、復活が、イスラムの原則であり、この原則を信じる人は、イスラム教徒です。預言者ムハンマドによれば、イスラム教徒にはさまざまな決まりごとがあり、その信者はそれらを守るべきだとされています。

 

イスラムの預言者ムハンマドは、イスラム教徒とは、他人を困らせたり苦しめたりしない人だとされています。圧制や抑圧は、大きな罪のひとつです。他者の権利を侵害することは、人間の精神的な健康や平穏を乱し、対立や分裂の原因となります。

 

預言者ムハンマドは、同胞の精神を復活させ、さまざまな圧制、特に道徳的な圧制を排除することを勧め、次のように語っています。

 

「イスラム教徒はイスラム教徒の兄弟であり、彼に圧制を加えることも、罵声を浴びせることもない」

明らかに、同胞関係を約束する以上に重要なのは、その結びつきを維持することです。イスラムの伝承では、宗教的な同胞を見捨てる人が強く非難され、同胞から距離を置かれた場合にも、彼らとつきあい、結びつきを保つようにすることが勧められています。

 

他人を裏切ったり、嘘をついたり、他人を助けずに見捨てたりすることは、イスラム社会の連帯、友愛、成長を妨げます。預言者ムハンマドはこのように語っています。

 

「イスラム教徒はイスラム教徒の兄弟である。その人を裏切ったり、その人に嘘を言ったりすることもなく、また、助けることを拒んだりはしない」

 

裏切りや嘘は信用を失い、互いを信用できないイスラム教徒は、助け合うこともありません。イスラム社会が卑しいものになれば、敵に簡単に支配され、彼らの莫大な資源が強奪されてしまうのです。

 

預言者は、イスラム教徒は、イスラム教徒の同胞の鏡であるべきだとしています。その人伸びとくや価値観を目にし、それを参考にする一方で、悪いところや醜いところを避けたり、警告したりすることができます。イスラム教徒は、健全な経済生活の実現のために互いに助け合い、経済的なニーズを満たし、成長のための条件を整える土台を築かなければなりません。これらは皆、イスラム世界が強く必要としている事柄です。

 

イスラムの預言者は次のように語っています。

「誰でもイスラム教徒の問題のために尽力しない人はイスラム教徒ではない」

宗教の専門家は、イスラム教徒の問題とは、一般的なものだとしています。イスラム教徒の問題やニーズは、政治、経済、文化のさまざまな分野にわたります。いかなるときも、彼らの問題への配慮を怠ってはならないのです。

 

聖典コーランでは、栄誉と誇りは、神とその預言者、そして敬虔な信者のためのものだとあります。コーラン第2章アルバガラ章雌牛の第165節でも、すべての力は神のものだとされています。また、第48章アル・ファトフ章勝利の第29節では、預言者とイスラム教徒の美しい姿が描かれ、次のようにあります。

 

「ムハンマドは神の使徒である。また、神と共にある人々は、不信心者には厳しく、自分たちの間では親切である。彼らの結びつきを、礼拝の際のサジダとルクウの中に見るだろう。彼らは常に、神の恩恵と満足を求める。そのしるしは、彼らの額にあるサジダの跡に明らかである」

 

この節をはじめとするコーランの節、そして伝承も、イスラム共同体の成功、栄誉、誇りの秘訣は、敵に対する連帯と共感、団結にあるというメッセージを含んでいます。

 

 


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