4月 03, 2023 16:06 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。

今回ご紹介することわざは、「大水が世界を飲み込んでも、眠りはその人をさらう」です。

ペルシャ語での読み方は、Donyaa raa aab be-barad, felaanii raa khaab bebaradとなります。

すでにお気づきのように、このことわざは文章の中ほどから後半部にかけて韻を踏んでいます。

自分の住んでいる家のそばに洪水が押し寄せ、大変な状態になっている中でも深い眠りに落ちたまま目を覚まさない、という状況をご想像してみてください。

文字通りの意味から、何となく本来の意味をご想像いただけるかもしれませんが、この表現は、最悪の条件や環境の中でも能天気で、自分の身の周りの状況など全く眼中になく無関心であることを意味しています。

さらには、自分の周りの人はあることについて誰もが新しいニュースを聞いて知っているにもかかわらず、自分だけが知らないままだった、というような場合にも使えるそうです。

コロナ危機発生で社会全体がその感染防止対策に右往左往し、緊急事態宣言がしかれている中、暢気にたくさんの人々と会食しているような人、さらには日本への帰国入国に際してワクチン証明もしくは陰性証明が必要になっていることすら知らず、旅行の準備だけをして楽しみに待っているような人にも、今回のことわざが当てはまるのではないでしょうか。

現在、世界情勢や自分の身の周りの様子は刻一刻と変化し、めまぐるしく動いています。今や日本への帰国に際してもその手続き方法がコロナ前とは大きく変わり、もはや知らなかったでは済まされません。世の中全般が大きく変化し、ある意味で大変なことになっている中で、何も情報を把握せず深い眠りに落ちたまま、ということにならないようにしたいものですね。それではまた。

 

 


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