イランの芸術
アーザルバーイジャーン地方の郷土音楽
イランの彫刻家・画家、演奏家、さらには音楽家でもある人物にヴォドゥード・モアッゼンザーデ氏がいます。
モアッゼンザーデ・アルダビーリー氏一族はみな、家系や遺伝的に美声を持っています。
一族の1人、ラヒーム・モアッゼンザーデ・アルダビーリー氏は、イランではイスラムの礼拝の時刻を告げる合図の著名な朗吟家でした。
モアッゼンザーデ氏の朗唱するイスラムの礼拝の合図の肉声は、初めて1955年にラジオ局で収録されました。
さて、ヴォドゥード・モアッゼンザーデ氏は1960年生まれです。
彼は、幼少時代に芸術の世界に足を踏み入れました。
そして、これまで35年にわたりプロとしてイラン音楽に携わっています。
さて、今回はこの優れた芸術家についてご紹介してまいりましょう。
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どの楽器で、聴衆に音楽を届けるのですか?
モアッゼンザーデ氏;私は、演奏家というよりも朗吟家であるといえます。
必要に迫られない限り、楽器は使いません。
伝統楽器のタールやセタールなど、様々な弦楽器を弾いています。
ですが、大半はアーザルバーイジャーン地方の音楽を、コプズ(Qopuz)と呼ばれる古代楽器で演奏します。
この楽器は、アーザルバーイジャーン地方に非常に広まっています。
この地方の音楽形態は、非常に多様性に富んでいます。
アーザルバーイジャーン地方の音楽で最も古いジャンルは、アーシグと呼ばれるものです。
私は、アーシグと呼ばれる音楽をやっています。
(この音楽は、アーザルバーイジャーン地方の郷土音楽で、舞踊や歌唱とセットになっています。アーシグは、地方を回って楽器を演奏しながら歌唱を歌う旅芸人として知られています。)
私自身も、自分のコンサートやアルバムにおいてアーシグの演奏に努めています。
私は、アーシグを融合という形で演奏しています。
では、伝統楽器コプズについて説明していただけますか?
これがコプズです。
この楽器は、アーザルバーイジャーン地方に古くから伝わるものです。
この楽器はふつう、3つの異なるサイズで造られます。
サイズには大、中、小の3つがあり、
これは中くらいの大きさです。
コプズは弦楽器の1つで、タンブールに似ています。
コプズの構造は、取っ手の部分はタンブールによく似ており、全体的に洋ナシのような形をしています。
この楽器は昔、馬に乗った状態で演奏されていたことから、ストラップがついています。
このストラップは、楽器が落ちないように留める役割を果たしています。
なお、コプズは立ったままで演奏されることが多くなっています。