9月 26, 2023 19:03 Asia/Tokyo

ペルシャ語でスィヤーフバーズィーと呼ばれるイラン式コミック演劇は、歌唱や舞踊、音楽を伴う演劇の部類の1つで、浅黒い肌のキャラクターが主役を演じます。

この種の演劇には、常に社会的メッセージや伝統的な物語が含まれています。

この番組では、この演劇のちょっとしたリハーサルの様子をご覧いただきましょう。

今日はジャヴァ―ド・エンサーフィーさんのところにお邪魔しています。エンサ―フィーさんはこの仕事を始める前に、複数の音楽教育課程を修了し、同時にミュージカル劇に携わり、役者として出演しました。彼は30年以上にわたるスィヤーフバーズィーに出演する経験を持っており、今日はこれについてご説明してまいりましょう。

 

ー インタビュアー; スィヤーフとは誰のことで、スィヤーフバーズィーとは何でしょうか?

エンサ―フィー:スィヤーフとは圧政に苦しんだ大衆のシンボルであり、自由と叫びの印です。

スィヤーフは、人々の間から出現し、人々の心の叫びを語るもので、また人々の間で演じます。この芸術の記録は、サーサーン朝時代までさかのぼります。

この種の演劇の主役であるスィヤーフには、イランの春の新年ノウルーズの到来を人々に告げて回る存在のアムー・ノウルーズやアムー・フィールーズ、ハージーノウルーズなどはあります。

これらの人物は、街中で街頭演劇を上演し、人々の中に出てきて、様々な話題についての語り部となってきました。

スィヤーフとは実際、自分がイランの伝説上の人物スィヤーヴァシュに従っていることを言おうとしています。

スィヤーヴァシュは正直さと誠実さで知られており、彼の物語はイランの英雄叙事詩「王書(シャーナーメ)」に記されています。

スィヤーフとは、ペルシャ語で黒を意味しており、実際この演劇の主人公であるスィヤーフも顔を黒く塗り、赤い服を着て、真実を探求し、スィヤーヴァシュの路線を追求しています。

スィヤーフはあらゆる場合において特別な存在です。彼は独自の声や服装、独自の顔立ちや名前を持っており、そのために、この役として話すときには、声帯をこのように動かします。

スィヤーフが持っているべき声は、このようなものなのです。

スィヤーフは、昔からいくつもの様々な名前を持っており、ピールーズ、モバーラク、ヤーグート、アルマース、ゾモッロドなどと呼ばれていました。

 

ー これらの名前が全部、1つの役柄に対する名前なのですか?それは同一の役柄なのでしょうか?

そうです、同一の役柄です。歴史を通してスィヤーフには、(役柄の持つ勇敢さや重要性を示す)このような名前が使われてきたのです。

 

ー スィヤーフは、イランの伝統や慣習に出てきますが、どんなメッセージを持っているのでしょうか?

まず第1に喜びです。スィヤーフは喜びをもたらすメッセンジャーです。

それは、春の新年ノウルーズの到来を伝えるアムーノウルーズのようなものです。ノウルーズも喜びをもたらすものです。

これらの演劇は常に、ハッピーエンドとなっています。

また、常に喜びという原則でのシナリオになっています。

このシナリオでのスィヤーフの舞踊は、首や肩を動かすものです。

実際に、これは形態の崩れた舞踊であり、この演劇のシナリオでは時間と場所は存在しません。

 

ー スィヤーフバーズィーやタフテホウズィー(スィーフバーズィーの別名)は同じものですね?同じ人物が出演してきますよね?

はい、それらはみんな同一の人物です。

ガージャール朝時代には、それぞれの家には池があり、その上に板をかぶせて演劇の舞台を作り、その板の上で上演していました。実際に、スィヤーフバーズィーは板の上で行われていました。

登場人物は普通、善人役と悪役の2つに分かれています。

 

ー スィヤーフバーズィーを始めたきっかけはどんなことだったのでしょうか。

イランやイランの演劇に興味があったんです。

そのため、当初から演劇界に入ろうと思ったときから、イランの文化や慣習の多くを学びました。

最初のうちは、単なる研究者として活動し、経験を重ねました。

そして、数年後にスィヤーフの衣装を身に着け、スィヤーフの役を演じました。

 

ー このような演劇がイラン国外でもイラン文化を伝播できると思われますか?

はい、非常に効果的だと思います。

もし、その内容が理解可能なものであれば、外国人にとっても扱いが可能だと思います。

但し1つだけ注意点があります。それは、この演劇で扱われるテーマが非常に簡潔で分かりやすく、しかもイランの伝統や慣習に関するものでなければならない、ということです。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram     Twitter     urmediem


 

タグ