イランの芸術
伝統的な打弦楽器サントゥール
ジャヴァード・バトハ―イーさんは、イランの伝統的な打弦楽器・サントゥール演奏の有名な巨匠の一人であり、イラン国内外の主要なコンサートで著名なイラン人歌手と共演しています。
サントゥールがイランの伝統楽器であることから、バトハ―イーさんにこの分野について専門的な質問をさせていただきたいと思います。
- バトハ―イーさんは音楽一家で育ち、ご自分の家族の道を歩み続け、お子さんたちも同様でしたよね。そのような家庭で生まれ育ち、この家族としての義務を続けていることをどのように感じていますか?
芸術一家で育つと、私たちの耳は美と芸術に触れることになります。芸術は親にとっての1つの価値観であるため、この芸術的な視点は無意識のうちに子供に伝わります。
- サントゥールはイランの楽器の中でも少し違っていますが、響きが良いこの楽器の特徴はどのようなことだと思われますか?
私が思うに、すべての楽器は何らかの形で身体の一部に関係しているのではないのでしょうか。たとえば、指先であったり、楽器によっては息や口を使います。サントゥールは、人間の身体には直接的に触れていない唯一の楽器です。
この打弦楽器は2本の木製のばちで叩くことで演奏されますが、この楽器で感情を伝えたり表現したりするのは容易いことではありません。
サントゥールは、いくつかの部分(ポジション)に分かれています。
第1ポジションは、黄色い弦のことで、これらは低音が出ます。
第2ポジション
第3ポジション
そして第4ポジションはあまり使われませんが、こういう音が出ます。
-サントゥールの左右にある木製の小さな可動柱には4本ずつ弦が張られているということから、習得が少し難しくなりますよね。
そうなんです。この楽器は調弦が難しいとされています。ですが、サントゥールから出る音がより強く明瞭になるよう4本の弦が張られています。
では、基本的には、隣り合う4本の弦を1本の弦とみなす(4本の弦は同じ音である)ということですね?
そうです。1本の弦と見なされます。
ご自身の生業の側面としては、作曲、サントゥールの演奏、そしてこの楽器の教育のどの分野が最もお好きですか?
演奏や作曲においては、主に最高潮になることがあります。
たとえば、メロディーが頭に浮かんでそれに夢中になり、曲ができあがると、これこそ私が望んでいたものだと感じます。(曲ができてくると)、心の底から満たされています。このことは私にとって至福の時なのです。