トルクメン人の文化的、社会的特徴(画像)(動画)
今回の番組では、トルクメン人の文化的、社会的特徴についてお話しすることにいたしましょう。
トルクメン人は中央アジアのトルコ系の民族で、主にトルクメニスタン、アフガニスタン北西部、イラン北東部で暮らしています。彼らはトルコ系の言語 の中でも、西オグズ諸語に属するトルクメン語を話します。トルクメン人の多くはイスラム教スンニ派のハナフィー派を信仰しています。
トルクメン人はかつて、オグーズ、あるいはゴズと呼ばれており、中央アジアの広大な砂漠地帯において、遊牧生活を営んでいました。7世紀頃まで、ト ルクメン人はトルコ系の大部族の一部でした。この間に、テュルク系の遊牧国家、突厥が崩壊したことを受け、オグーズと呼ばれていたグループは、こうした大 部族とは袂を分かつことになりました。
トルクメン人は11世紀、イスラム教を受け入れました。彼らはそれから何百年もの間、イスラムの価値観、さらにイスラムに相反しなかった民族的、文 化的価値を維持しようとしました。トルクメン人は牧畜に従事していましたが、第2次世界大戦後、一箇所に定住するようになり、農業が彼らの重要な職業にな りました。トルクメン人が行っている絨毯芸術は、彼らの趣向、忍耐強さを凝縮したものであり、過去から現在の世代へと引き継がれています。
トルクメン人の多くはトルクメニスタンという国に住んでいます。イランのトルクメン人は、多くがカスピ海南東部のトルキャマンサハラーと呼ばれる地 域に暮らしています。行政区分上では、ゴレスターン州、ホラーサーンラザヴィー州、北ホラーサーン州に散らばっています。イランのトルクメン人の人口はお よそ200万人です。トルクメン人が住むイラン国内の都市で重要なのは、バンダルトルキャマン、ゴンバデガーブースです。
アフガニスタンにもおよそ100万人のトルクメン人が住んでおり、この国の主要民族を占めています。また、イラク北部に住むおよそ200万人のトル コ系の民族も、トルクメン人といわれていますが、彼らの容貌は人種的にトルクメニスタンやアフガニスタン、イラン北東部に住む民族とは異なっています。イ ラクのトルクメン人の方言もまた、カスピ海東部のトルクメン人のそれとは異なっており、多くがトルコ共和国のトルコ語や、イラン北西部アーザルバーイ ジャーン地方及び、アゼルバイジャン共和国で話されるアゼルバイジャン語に近いものとなっています。
イランのトルクメン人の女性は、絨毯織りに精通しています。彼らは多大な努力により、美しい模様を創造しており、それらは現在、様々な種類や大きさの絨毯や敷物に織り込まれて、世界中で売買されています。
イランのトルクメン人は、決して学問習得を怠ることはありませんでした。彼らは学校で教育を受け、芸術や文学、法律、医学、工学といった分野の学問を修得しています。また、高等教育を受ける人も多く、そうした人々は事務、貿易、教育の分野の職業についています。
民族衣装は各民族の最も重要な文化的象徴と見なされます。トルクメン人の女性の衣装は、伝統的な衣装を維持することで、今もその本来の形を保持しており、国内のいずれの地域であれ、衣装によってどの部族に属しているかを見分けることができます。
トルクメン人の女性が身につけている伝統的な民族衣装の主なものには、足首まで覆う丈の長い上着があり、さらに頭には普通のスカーフよりはるかに大 きな被り物をしています。現在、トルクメン人の伝統衣装の一部はある程度、工場で作られた既製品となっているようですが、若者の多くは現代的なフォームや モデルの伝統衣装を自分たちで作っています。
トルクメン人の女性の衣装は、その年齢に関係します。未婚の少女たちが身につける衣装は、結婚した女性の衣装とは異なっています。トルクメン人女性 の伝統衣装の中に使用されている赤は特別な価値があり、また頭の被り物は自分の属する部族のしるしや、結婚しているかしていないかのステイタスを示してい ます。
トルクメン人の音楽は生活と深く結びついており、心の中で考えていることや彼らの生活を表現したものだったり、自然、社会関係、経済、遊牧、襲撃、 その他の日常生活の事柄からインスピレーションを得たものとなっています。トルクメン人の音楽には彼らの慣習が交ざっています。これらの慣習には、愛情や 友好、預言者一門やイマーム達の殉教への表敬、病気の治療などがあります。トルクメン人の文化には、ヒーリングのための音楽がよく見られます。
トルクメン人の音楽はまた、人生の秘密、人間の精神に言及することで豊かな内容となっています。
トルクメン人の音楽は人間の心を揺るがす嵐のようなものであり、その魅力に引き寄せられず、無関心でいられる人はいないでしょう。
トルクメン人の文化の裾野は歴史的な古さや様々な生活の状況により非常に幅広く、多様性があり、この番組ではその一部をお話したに過ぎません。今回は最後にトルクメンの歌を聞きながらお別れすることにいたしましょう。