フェレイドゥンケナール湿原(画像)
イラン北部のマーザンダラーン州には、ラムサール条約に登録されている国際湿地が二つあります。一つはフェレイドゥンケナール湿原、もう一つはミアーンカーレ湿原です。今夜はフェレイドゥンケナール湿原についてお話しすることにいたしましょう。
マーザンダラーン州は、イラン北部の緑豊かな州のひとつで、カスピ海南岸に位置しています。マーザンダラーンは、三つの街道によってテヘラン州と結ばれています。また三つの空港があり、イラン各地を結んでいます。また鉄道もこの地域を通過しています。さらに海岸から10メートルから300メートル離れたところに、220キロに渡って幹線道路も走っています。
カスピ海は豊かな漁場、特にチョウザメの生息地であり、多くの自然の魅力を有し、観光の分野でも世界で突出した場所となっています。イラン最高峰のダマーヴァンド山は、この地域にあり、世界的にも知られ、この地域の魅力の一つとなっています。
マーザンダラーン州は、数多くの歴史、文化、自然の魅力を有しており、湿原はこの地域の自然の特徴の一つです。マーザンダラーンには湿地の保全に関するラムサール条約に登録されている2つの湿地が存在し、一つはフェレイドゥンケナール湿原、もう一つはミアーンカーレ湿原となっています。
カスピ海南岸にあるフェレイドゥンケナール湿原は、フェレイドゥンケナール市から3キロ、バーボルサル市の北西13キロのところに位置します。この湿原は面積5427ヘクタール、海抜は-23メートルです。
フェレイドゥンケナール湿原は淡水の浅瀬の人口湿原です。この湿原には春から夏にかけて農業の季節に、稲作などで使用される農業用水を提供する堰が設けられています。稲の収穫が終わると、ここは水溜りとなり、鳥類の狩猟場となります。
この湿原の最も重要な渡り鳥には、ソデグロヅルと呼ばれるツル科の鳥類がいます。この湿原はソデグロヅルの生息地の一つとして、特別な条件を整えていることから、2003年、ラムサール条約の国際的に重要な湿地に登録されました。
この他にもこの湿原では、アヒルやガチョウ、白鳥など多くの水鳥が冬を越しています。
フェレイドゥンケナール湿原は、広い畑や稲田により、多くの鳥類が餌を確保したり、休憩したりするための場所となっています。
ソデグロヅルに加えて、これまで、30種類以上の鳥類が確認されており、3種類はこの地域を通過し、残りはこの地域で冬を越すために渡ってくる鳥です。
フェレイドゥンケナール狩猟場は、春から夏の半ばにかけて、完全に稲田となります。実際、ここは複数の狩猟場から構成されており、それぞれの狩猟場の周囲は、高い木で囲まれています。植物地理学的に、この湿原には地質時代の第三紀に属する森林が残っています。地域の森林の多くは失われ、農地になっています。この地域の気候は夏は暑く湿度も高いですが、冬は温暖となっています。
この地域には様々な種類の木が見られ、その周辺は葦で覆われています。
ある場合には、この神の恩恵を保護するために、人々の利用を制限せざるを得ません。フェレイドゥンケナール湿原は禁猟区として、環境庁によって保護されています。この地域は鳥類の保護に関する国際機関から、中東の重要な地域として認定されています。
フェレイドゥンケナール湿原は、多くの経済的、社会的価値を有しています。この湿原は年間の一部の季節において、カモ科の鳥類の狩猟の点で、地域の人々にとって非常に重要性を有しています。地域の多くの土地では農業の季節に米が栽培されています。さらにエコツーリズムの点からも高い可能性を有しています。
フェレイドゥンケナール湿原には毎年多くの観光客が訪れています。この湿原は、自然の美しさ、鳥類の種類の点で、多くの魅力を有しています。
この湿原の中に入る際には、長靴と水に濡れない防水服が必要です。湿原の深さは、冬季に最大となり、深いところで2メートル以上にもなります。
狩猟場や定期市の存在も、この地域の魅力となっています。フェレイドゥンケナールは、ソデグロヅルの国際的な生息地であるほか、様々な種類の植物や水生生物の存在により、イラン北部の最も豊かなエコシステムの一つとなっています。