パレスチナ・インティファーダ支援国際会議
第6回パレスチナ・インティファーダ支援国際会議が、2月21日、22日の2日間にわたり、 テヘランで開催され、80カ国からの代表団が参加して、パレスチナ国民を守ることにむけて、一致団結したアプローチについての検討が行われました。
パレスチナ問題の大変大きな重要性により、イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師はパレスチナ・インティファーダ支援国際会議の開会式で、次のように語りました。
「パレスチナ問題や、抵抗する抑圧されたパレスチナ人の悲しみは悲哀に溢れており、自由と真理、公正を求める人間の心を痛ませるものだ。パレスチナの歴史とその圧制的な占領、数百万人の難民化、この勇敢な人々の抵抗は、多くの出来事を伴っている。歴史を紐解けば、歴史の中で、これほどの圧制や苦痛を受けた民族は存在しないことが分かる。地域外の国の陰謀の中で一国が完全に占領され、その民族が住む家を追われ、代わりに別のグループが世界各地からそこに送り込まれた。真の存在は無視され、偽りの存在がその代替にされる。だがそれもまた、歴史の穢れた1ページであり、他の穢れたページと共に、至高なる神の許しと助けによって閉じられるだろう。なぜなら、神はコーラン第17章アルイスラー章、夜の旅、81節にて次のように語られた、『まさに偽りは消え去った』そして、コーラン第21章、アル・アンビヤー章、預言者、105節にて、次のように述べている『私の正しい僕が、大地を治める』」
ハーメネイー師はこの国際会議の開会式の演説の一部で、重要な点について語りました。そして地域のイスラム諸国数カ国における危機の存在に触れ、「地域のイスラム数カ国に存在する危機により、パレスチナ問題への支持や聖地解放の理念が薄れている。これらの危機の結果に注目すれば、この危機によって利益を得るのは誰であるかが分かるだろう」と述べ、次のように語りました。
「シオニスト政権イスラエルをこの地域に誕生させ、長期に渡る衝突を押し付けることによって、地域の発展と安定を妨げようとする人々が、今、陰謀の裏にいる」
さらに、次のように強調しました。
「パレスチナの人々を政治的に支持することの重要性を決して無視してはならない。この問題は、今日の世界で特別な優先性を有しており、イスラム教徒や自由を求める人々は、あらゆる方法で、ひとつの目標、つまりパレスチナとその解放にむけた努力の重要性において、ともに団結することができる」
パレスチナの悲しみは、1948年5月15日から始まりました。この日は、世界の大国が支持し沈黙する中、シオニスト政権のパレスチナ占領によって、パレスチナ人の苦難や、殺害、難民化が始まった日なのです。ハーメネイー師が語ったように、このあふれる悲哀は終わっていません。ガザ地区やパレスチナ人の状況、最近、このイスラムの地で起こっている出来事や、非人道的犯罪の極地ともいえる罪のない子供や女性の殺害は、大変悲痛なものです。
ハーメネイー師はこのように述べています。
「パレスチナ人に対する抑圧、頻繁に行われている逮捕、殺害や略奪、パレスチナ人の土地の収奪と入植地の建設、ベイトルモガッダスやアクサーモスク、そしてこの地におけるイスラムやキリスト教の聖地のユダヤ化に向けた努力、基本的な市民権の剥奪、そのほかの多くの圧制は続けられている。これらはアメリカと一部の西側政府の全面的な支持を受けており、残念ながら、国際的かつ適切な反応に直面していない。」
シオニスト政権イスラエルは、パレスチナやレバノンでの犯罪行為や、難民キャンプに対する空爆、略奪や誘拐、パレスチナ内外における腐敗行為により、人道的な原則や国際法規をまったく守っていないことを示しています。パレスチナの統計センターは最近、報告の中で、パレスチナ人41.22%がシオニスト政権の占領により難民化したと発表しました。国連パレスチナ難民救済事業機関の統計によると、500万人以上のパレスチナ難民の名前がこの機関のリストに登録されています。
イランは常に、民主的な解決法により、パレスチナの人々が自分たちで今後を決める必要性を強調してきましたが、残念ながら民主主義を主張する西側諸国は、この問題を無視しています。パレスチナ人に対する違法なシオニスト政権の圧制は、毎日新たな側面を見せており、その非人道的な犯罪行為は、アメリカや西側の大国の支援を受けています。また、シオニスト政権の拡張主義は、パレスチナ問題の民主的な解決方法を無効にしており、残った唯一の方法は、抵抗なのです。
パレスチナ人は、長年にわたり多くの妨害や問題に対して、困難な闘争を行うことで、自身の権利を守るために抵抗してきました。インティファーダ、つまりパレスチナ人の抵抗運動は、彼らにとって残された唯一の道なのです。パレスチナ人の今日の状況は、実際、圧制や国際法規の無視、抑圧されている国民の運命に対する国際機関の無能さによるものなのです。
パレスチナ人は抵抗と鋼鉄の意志により、パレスチナを併合するためのイスラエルの計算や行動を混乱に陥れました。パレスチナ人はまた、自分たちの権利、特に国や聖地を忘れることはないということを示しています。なぜなら、この権利は取引したり、無視したりすることはできないからです。パレスチナ解放人民戦線のジブリール書記長は、次のように語っています。
「私がサウジアラビアやそのほかの湾岸諸国に行かないのはなぜか。それは一部がこれらの国から汚れた金を受け取っているのを誇りにしているからだ。この金の目的とは、あなた方を抑制し、道徳の点からあなた方を腐敗させることだ。我々は長年にわたり、こういった金を受け取っていない。我々が汚れた金の泥沼に引きずり込まれるよう、多くの努力がなされたが、我々は勇気を持つことで、この泥沼に入ることはなかった。」
シオニスト政権は1948年、56年、67年、73年の戦争で重要な勝利を収め、また1982年、レバノンに速やかな形で大規模に進攻したものの、2000年にはレバノン南部からの撤退を余儀なくされ、2006年にも、レバノンのシーア派組織ヒズボッラーに大きな歴史的敗北を喫しました。パレスチナ・イスラム聖戦機構のアブドッラー事務局長は、次のように語っています。
「イスラエルは人類史上で優れた大国だといわれているが、そうではない。我々はこの政権に関する完全な知識に基づきはっきりという。言われていることは真実ではなく、シオニスト政権は良好な条件に恵まれていないだけでなく、様々な問題に苦しめられていると」
パレスチナの占領を続ける中での挑発的な行為、この地の文明と歴史の本質を変えようとする努力は、世界平和に対する破壊的な結果を伴うことになります。現在、シオニストは、世界の人々に、パレスチナ人はパレスチナには属していない難民であると考えさせようとしています。抵抗をテロリズムとして扱うことや、和平のための長い期間にわたる努力は、この目的を達成することが理由です。
シオニスト政権は現在、消極的な立場を取っています。ハーメネイー師は、シオニスト政権の凋落と、同盟国、特にアメリカの弱体化の兆候が現れたことに触れ、この状況の中で、次第に世界のムードは、シオニスト政権の非人道的、非合法的な敵対行為への抵抗に傾くが、たしかにいまだに国際社会と地域諸国は、この人道的な問題に対する責任を果たすことができていないとしました。ハーメネイー師は次のように語りました。
「パレスチナ・インティファーダ支援国際会議の成果の一つは、イスラム世界と世界の自由を求める人々の優先事項、つまりのパレスチナ問題の提起であり、パレスチナの人々と、彼らの公正と権利を求める闘争を支持する高い目標の実現に向けた、団結の雰囲気を作り上げたことだった」
ハーメネイー師は、「シオニスト政権という進行しつつあるがん」と、それが現在の災難となっていることに触れ、その治療は段階的だとして、「数回のインティファーダや継続的な抵抗は、重要な段階における目標を実現することができ、また台風のように、パレスチナの解放までの、そのほかの目標を実現する形で前進することができる」と述べました。
イランは中東全体の正しい平和の確立は、パレスチナの不当な占領を停止し、パレスチナ人の権利を完全に実現すること以外に実現不可能だと考えています。それらの権利とは、将来の決定、すべての難民のパレスチナへの帰還、イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒を含めた国民投票の実施によるベイトルモガッダスを首都としたパレスチナ挙国一致政府の樹立などです。イランのローハーニー大統領は、これに関して次のように語っています。
確かに、パレスチナの権利実現に向けた、すべてのイスラム教徒にとっての道のりは大変困難だが、自らの権利を擁護するために聖なる戦いを選んだ国民は、成功を勝ち取ることになるだろう。
そして、パレスチナ人も、自身の道を正しく選択していることを示しています。