4月 15, 2017 14:54 Asia/Tokyo
  • イラン社会のユダヤ教徒

今回の番組は、イラン社会のユダヤ教徒についてお話してまいりましょう。

ユダヤ人、あるいはイスラエルの民とはイランでは、神からモーセに通達された律法とユダヤ教を信仰する人々のことを言います。世界のユダヤ人の総数はおよそ1500万人とされ、多い順にアメリカ、被占領地パレスチナ、ロシア、ヨーロッパ諸国で暮らしています。そしてイランにもユダヤ人がいます。

イランのユダヤ人の歴史はおよそ2700年前に遡ります。イランにはユダヤの歴史的聖域の多くが存在し、シューシュにあるダニエルといったイスラエルの民の預言者の墓などがその代表で、イスラム教徒にも敬意を表されています。

ユダヤ人はこれまで、イラン国会に議席を有してきました。イスラム革命勝利後には、護憲評議会にもユダヤ教徒の議員がいました。ユダヤ人は憲法に基づき、イラン国会で一議席を有しています。

ユダヤ社会の政治、社会、宗教的活動は、ユダヤ教徒の宗教権威、イラン国会のユダヤ教徒議員、ユダヤ教協会の理事会の三つを中心にしています。それぞれが法的、政治的、社会的問題に立場を表明し、それらの問題を追求します。

現在、イランのユダヤ人はおよそ1万人で、主にテヘランに住んでおり、他にはシーラーズやイスファハーンといった都市で暮らしています。ユダヤ人は、他のイラン人と同じように、国の発展・開発において特別な役割を果たしています。彼らはあらゆる段階においてイランの名誉のためにイスラム教徒と肩を並べて尽力しており、祖国のために献身を惜しみませんでした。ユダヤ社会から18人の殉教者が出ていることも、こうした事実を物語っています。

ユダヤ人は様々な教育課程の学校を有しており、その中には一般教科とは別に、宗教学やヘブライ語の授業もあります。イランでの宗教の自由に関して、イランのユダヤ教徒の話をお聞きください。

イランのユダヤ社会には、複数の会堂、文化施設、青少年、学生、女性のための機関があります。さらに、中央図書館、ホール、ユダヤ教徒専用のと殺場10箇所、4つのレストランを有し、20以上の文化機関やNGOが活動しています。

イスラム革命後、大学に入学するユダヤ系イラン人女性が増え、現在、ユダヤ女性の70%以上が大卒となっています。さらにイランのユダヤ人の90%以上が大学生であるか、大学を卒業しており、大学で教えている人もいます。

さらに、イランに暮らすユダヤ人の文化面での自由については、様々な刊行物の出版許可が出されていることや、またユダヤ人独自の学校もあり、ヘブライ語の教育も行われていることが例として挙げられます。

イラン国会のユダヤ教徒議員のスィーアマク・モレセデグ氏は、イランにおける少数派の状況と人権について次のように語っています。

「イランの少数派の状況は、最良の平和共存の例の一つである。イランの少数派の状況は自由、宗教活動、社会的、政治的活動への参加、さらにはあらゆる政治運動への参加の可能性において、模範的なものだ。何よりも重要なのは、イラン政府から宗教の少数派に、宗教・文化活動の推進のための目覚しい支援が行われていることである。ユダヤ教の会堂であるシナゴーグやキリスト教の教会、ゾロアスター教の礼拝所の水や電気、ガスの料金が無料であり、文化活動や宗教少数派の施設の修繕に多くの予算が当てられている。これはイランのユダヤ教徒やキリスト教徒、ゾロアスター教徒がイラン人の切り離すことのできない一部であることを示している。このため、西側の人権の基準に沿ってイランを見るなら、イランが中東で最も民主的な国であり、宗教の自由がイランほど守られている国はないことがわかる」

イラン国会のユダヤ教徒議員、スィーアマク・モレセデグ氏によるイランの少数派の状況と人権についてのお話をお聞きいただきました。

このように、イランに住む宗教少数派は、最大限の自由を満喫する中、宗教、社会、政治面での活動を行っています。