6月 07, 2017 15:25 Asia/Tokyo

今回は、イランの非石油製品の輸出品目のひとつ、プラスチック・メラミン樹脂製品についてお話しましょう。

19世紀後半、プラスチック製品の生産により、人類の生活が大きく変化しました。イランでもプラスチック産業は非常に適した土台を有しています。

人類の発明の歴史を通して、ポリマーの生産は、人間の驚くべき歴史的発明のひとつです。ポリマーは、人類の昔からの願いや独創的な思想が実現した結果です。歴史の中で、多くの人が、化合や精製により、好ましい性質を持つさまざまな製品を生み出そうと努めてきました。ポリマーの生産は、こうした昔からの願いが叶ったものです。

 

ポリマーは、プラスチックの原料です。人間は、合成ポリマーを製造できるようになるまで、セルロースやアスファルトといった天然のポリマーを生産していました。人間は長い間、天然のポリマーを利用して、生活の道具や武器を作っていましたが、19世紀後半にプラスチックが製造されるようになったことで、人間の生活に大きな変化が起こりました。

 

プラスチックは非常に幅広い用途に使用されます。携帯電話、ヘルメット、容器、多くの電化製品、ビニール袋、その他、多くの製品を製造するのにプラスチックが使われています。

 

プラスチックの消費率が最も高いのは、包装産業で30%です。このような多様性により、プラスチックは私たちの生活において幅広い役割を果たしています。世界で消費される石油関連物質のおよそ4%が、プラスチックの製造に使われています。

 

現在世界中で見られるプラスチックは、150年前までまったく存在していませんでした。プラスチック産業の歴史は、1868年にさかのぼります。この年、セルロイドという名の、それまでとは全く異なる新しい製品が生まれました。

 

セルロイドの開発により、プラスチック産業が生まれました。セルロイドの最も重要な成果のひとつは、映像のためのフィルムが作られたことでした。それから50年も経たない1909年、フェノールという物質の生産により、プラスチック産業に2つ目の大きな変化が訪れました。フェノール樹脂は、電子部品の製造に広く応用されています。

 

プラスチック産業における3つ目の大きな変化は、1920年代のアセチルセルロースの開発です。アセチルセルロースは、セルロースから製造される合成樹脂で、第二次世界大戦中にナイロンやポリエチレンを市場に提供しました。1970年代になると、コンピュータ産業に応用されるポリマー製品が市場に提供されるようになりました。

 

プラスチック産業は、世界で最も重要な下部産業のひとつで、さまざまな物質の生産につながっています。

 

プラスチックは、その特徴により、世界でも最も消費量の高い物質になっています。プラスチックは、金属などに比べて軽いため、さまざまな場所や状況において使用することができます。プラスチックは、ケーブルや鉄線、銅線などのカバーをはじめ、電子、電気産業において幅広く活用されています。

 

さらに、医療産業においても広く用いられています。プラスチックの中では細菌が成長することはないため、この物質は、外科や歯科の医療設備の他、製薬などの分野でも利用されています。

 

この他のプラスチックの特徴として、色落ちしないこと、熱やさまざまな気候条件に強いこと、化学産業、食品産業、衛生産業で利用できることとなどが挙げられます。また、原材料が安価であること、短期間で生産できることも、プラスチックの幅広い利用を促す要素になっています。

 

イランは、石油・石油化学産業を有することから、世界でも主要なプラスチックの生産国となっています。プラスチックは、化学産業の生産品のひとつであり、石油化学製品の中でも、最も高い成長率となっています。

 

石油化学産業は、石油や天然ガス資源を有する国々にとって、経済的、社会的な発展を遂げる上で重要な産業のひとつとなっています。イランは豊かな石油・天然ガス資源を誇ることから、イランへの投資の優先分野のひとつが、この石油化学産業となっています。

 

2014年、中東における石油化学製品の生産量のうち、イランが占める割合は25%でした。イランでは、年間500万トン以上のポリマー原料が生産されており、そのうちの100万トン以上を、商業用のプラスチックが占めています。

 

今日、イランでは、50を超える石油化学コンビナートや企業で、自動車産業、繊維産業、家庭用品に関連する製品が製造されています。この分野で活動する人々は、加工や製造などの部門への投資を拡大することにより、新たな知識や技術を通して価値のある製品を生産し、消費市場に提供しようと努めています。

 

プラスチック産業と共に、イランではメラミンも製造されており、イランは世界の3大生産国のひとつとなっています。この数年、イランのメラミン産業は、器のデザインや実験設備における革新により、さまざまな製品をペルシャ湾岸諸国、東ヨーロッパ、南アフリカ、南米に輸出することに成功しています。

 

現在、プラスチック製品によって、私たちの生活は便利になりましたが、プラスチックの生産量の大幅な増加と環境への破壊的な影響により、ポリマーは地球の存続を脅かす環境の汚染源となっています。

 

プラスチックの環境への影響に対処する方法のひとつに、急速に分解できる植物由来の原料で生産された袋を利用することがあります。イランでは、一部のナレッジベース企業が、この分野に投資を行い、プラスプラスチック製の容器を再利用するための機械の設計と製造に成功しました。また、これらの企業は、葦の茎など、植物由来の原料を利用した使い捨て容器の生産技術を手にしています。

 

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