6月 28, 2017 19:08 Asia/Tokyo
  • 学術分野の発展
    学術分野の発展

この番組では、ここ20年のイランの学術部門の発展についてお話ししてまいります。

イランは昔から、文明と学問の発祥地でした。世界の現在の文明は、イランでさまざまな時代に生まれた成功や成果の恩恵を受けています。これらの成功は、イランの歴史の中でさまざまな出来事を伴ってきましたが、1979年のイスラム革命と、1988年のイランイラク戦争の終結により、イランでは、学術の新たな成長が見られるようになりました。

 

教育学や学術の重要性により、イランでは教師週間が設置されています。これは、教師や教授、知識や学問の分野で活動する人々を称賛するための機会となっています。これらの人々は、人々の道しるべとなっています。イランの人々は、宗教的、文化的な基盤に基づき、知識を持つ人々に多くの価値を置いています。なぜなら、現世と来世の幸福は、社会の精神的な指導者や教師の手の中にあると考えているからです。

 

イランは、このような見方に基づき、近年、知識や科学の分野において世界レベルで大きな成功を収め、世界の知識の生産における地位を向上させています。この番組では、イランの学術的な成功や成果をご紹介していきます。

 

イランは、覇権主義国によって厳しい制裁を受ける中で、この20年、学術や研究に関する多くの分野で目覚ましい発展を遂げてきました。例えば、イランの大学の在籍者数は、革命前には10万人程度だったのが、ここ数年は400万人以上に増加しています。言い換えれば、この40年で、イランの人口はおよそ3倍になりましたが、大学の人口は40倍以上増加したことになります。

 

注目に値する点は、イランの学術分野の発展が、社会の公正に基づいたものであることです。例えば、教育の可能性における性別の公正の遵守により、現在、イランの大学の在籍者数の半分以上を女子学生が占めています。また、イランの特徴、特に地理的な特徴に基づき、社会階層のほぼすべてが、教育を受ける可能性を享受しており、高いレベルの専門的な教育を受ける可能性を有しています。

 

世界の科学技術の指標機関による報告は、イランがここ20年、世界の知識生産の先駆者であったことを示しています。これに関する報告を見てみましょう。

 

国際的な大手情報企業であるトムソン・ロイターの報告によれば、2016年、イランの知識生産の成長率は、前の年に比べて40%の高まりを示した。この報告では、2016年、イランの研究者は、世界で生産された論文の1.6%を生産したとされている。また、過去16年の間に、世界の知識生産に占めるイランの割合は、18倍増加した。イラン科学技術省のアフマディ技術研究次官は、世界の引用文献データベース・スコーパスが2014年に発表した世界20か国の科学の成長率に関する報告によれば、イランは知識生産速度が世界第3位だったとしている。また、近年、世界の優れた大学ランキングの点でも、23位になり、それまでの年や他の多くの先進国と比べて高い地位にあり、これは過去数年におけるイランの大学の科学の成長を示している。

 

イランの科学発展の大部分は、1979年のイスラム革命勝利とイスラム体制の樹立以降、1988年のイランイラク戦争の終結後に実現されました。革命が勝利する前の王制時代、イランは高等教育などの様々な分野で大きく後れを取っており、専門的な人材の不足が強く感じられていました。例えば、革命前におけるイランの科学的な基盤の弱さにより、新たな体制が樹立されてからも数年は、イランの一部の都市では、インドやパキスタンなどの第三世界の医師が活動を行っていました。

 

しかし、イランの体制責任者や国民の努力により、10年でこうした不足の大部分が解消され、イランは多くの分野、特に医療や技術の分野で自給自足を達成しました。現在、ナノテクノロジー、ES細胞、核技術、航空宇宙、医薬品の分野で、イランは世界的な技術の規準に向かっています。

 

例えば、ES細胞の分野で、イランは近年、世界のトップ10か国に入っています。イランの研究者は、ES細胞を、脳や骨、皮膚の移植、心臓の細胞の修復に利用することに成功しています。

 

イランの重要な研究所のひとつであるルーヤーン研究所では、ES細胞をがんの治療などに活用することに成功しています。現在、イランのクローン技術は国産化されており、ヤギ、羊、牛のクローン化により、イランはこの分野の技術を持つ国のひとつとなっています。

 

核技術や航空宇宙技術の分野でも、イランは国産の技術と国内の研究者の能力を支えに、この分野の優れた国に名を連ねています。こうした発展は、イランが核技術に関して過去15年、多くの圧力や制裁を受け、西側の多くの国が、イランの発展を妨害しようとしてきた中で遂げられました。

 

イランの若い研究者たちは、自負心によって核技術を国産化し、西側諸国による妨害を克服してきました。また、航空宇宙の分野でも、イランは完全な衛星技術を持つ9か国に入っています。2013年、イラン人研究者が、生き物を宇宙空間に送ることに成功し、人間の宇宙への派遣に一歩近づきました。

 

ここまでお話ししたことは、イランがここ数十年、イスラム体制の樹立により、さまざまな学術分野で目覚ましい発展を遂げてきたという事実を物語っています。一部の分野で驚くべき発展を遂げたのは、イスラム革命の主張が、イスラムの教えとイランの豊かな文化や文明に基づいたものであるためで、その中では学術や研究者が高い地位を有しています。

 

イスラム体制が知識や技術のレベル向上に関して正しい政策を取ってきたことにより、イランの識字率が大幅に上昇し、経済や社会のさまざまな分野の自給自足と、世界各国との力強い協力の土台が整えられています。イランは現在、自国の技術を支えに、混乱に見舞われた中東地域において、世界でも最も力強く安全な国になっています。イランは、この技術により、イスラム・イランの誇りに溢れた文明の時代を復活させようとしており、他のイスラム諸国もが、再び人類史における黄金時代を迎える土台を整えています。

 

この番組では、イランの社会における知識生産の文化的、宗教的な基盤をお話しし、歴史におけるイランの学者たちの活動をご紹介しながら、革命後の科学的な発展について見ていく予定です。