9月 14, 2017 22:17 Asia/Tokyo

(山口);さて、中村さん。イランではそろそろ新学期が始まるシーズンですよね。イランでは小中高等学校の夏休みが日本よりも長く、3ヶ月近くありますから、この時期を利用して旅行に行ったり、また子どもたちはスポーツや芸術などの習い事に行ったりすることも多かったのではないでしょうか。中村さんは、イランでの夏をいつもどのように過ごしていますか?

(中村)私は日本に里帰りするか、そうでなければ、いつものように仕事をして過ごします。子どもたちも夏だけのお稽古事には行かせていません。上の子は中学生の時まで、また下の子は今小学5年生が終わったばかりですので、今も漢字の練習をさせています。主人が忙しい人なので、イラン国内にはあまり旅行は行きません。夏休みになると親戚の行き来が増えますね。うちはイランの中でも特に親戚づきあいの濃いトルコ系なので、週の1/3は親戚が来ています。もちろん、山口さんはご存じだとは思いますが、来ておしゃべりして、だけではすまないんですよね。食事も振る舞うのが当たり前なので、主婦は大変です。

(山口)とにかく、この3ヶ月ほどは学校が休みだったこともあって、交通渋滞もいくらか緩和されていたようですが、また近いうちにテヘラン独特の交通渋滞が戻ってくるわけですよね。でも、また学校に通う子どもたちの元気な姿が見られるのも、1つの喜びとして考えてもよいのではないでしょうか。

(中村)そうですね。学校が始まる前に、制服の裾を調整しないといけません。3ヶ月の間に子どもは背が伸びますから。

リスナーより

「開局18周年を迎え、おめでとうございます。これからもイスラム圏からの貴重な日本語放送を続けてください。」

「7月21日は、日本語放送開局の日ですね。今年で18年目になり、日本で言えば高校3年生に当たり、小さな子どもが大人への第一歩を踏みしめる時期になり、時の速さを感じます。日本語放送も、IRIB国際放送を代表する放送局になったのではないでしょうか。中近東唯一の日本語放送をこれからも楽しみにしています」

ラジオより

(山口)IRIBラジオ日本語の開局18周年記念にあたりましてのメッセージを有難うございます。ラジオ日本語がこれまで存続できたのも、リスナーの皆様からの励ましがあってこそだと考えております。仕事が少々きつくても、受信報告を送ってくださるリスナーの皆様のことを思い浮かべながら、必死で仕事をこなしているうちに、私自身も入局満10年を迎えようとしています。本当にあっという間でしたね。確か、中村さんは開局当初からのメンバーでしたよね?ラジオでのこの18年間を振り返ってみていかがでしたでしょうか。

(中村)やはり、早いなあと言う感じですね。ラジオが始まったときには上の子どもは後追いしたりしていましたが、はや大学3年生になろうとしています。下の子はちょうど10年前に生まれたのですが、まだ生後半年の時からラジオに復帰しました。子どもの成長とラジオの歴史がダブりますね。

(山口)18年という年月は、決して短くはないですよね。私自身も入局しましてからのこの10年間、ラジオのお仕事を通して実に色々なことを経験させていただきました。もしかすると、ラジオに在籍していた時期は、私の人生の黄金時代の1つでした、などと振り返るときが来るかも知れません。このようなコメントは少々早すぎたでしょうか(笑い)。とにかく現在、私の生活時間帯の多くをラジオでのお仕事が占めているとともに、精神的にもラジオ日本語の存在はとても大きいと感じています。

リスナーより

「今日の制作番組『イランの市場』では、園芸植物について取り上げられていました。私の家内がフラワーショップで働いており、家のベランダで園芸植物のガーデニングをしていることから、興味深く拝聴させていただきました。イランでの温室が増設、日照時間の長さなどから各種の園芸植物の生産能力が高められたこと、世界市場での水準の高さを知りました。ところで、質問があるのですが、イランの園芸植物では何がポピュラーなのかを番組で紹介していただければ幸いです」

 

ラジオより

(山口)イランの園芸といえば、特に中部マルキャズィ州の園芸都市マハッラートが、「イランのオランダ」として特に有名ですが、一般家庭でも室内はもとより、窓辺やアパートの階段に鉢植えの観葉植物を飾っているお宅も多いですよね。ちなみに我が家では、自宅の庭にブドウを植えておりまして、夏は涼しい日陰を作ってくれるとともに、そろそろ色づくのが楽しみになってきました。ところで、中村さんのお家やご近所さん、お知り合いの方々などでは、何か観葉植物を育てていますか?

(中村)主人のお姉さんが植物を育てるのが上手で何かと買ってきては育てています。こちらでは日本と同じようにポトスやベンジャミン、ゴムの木などもポピュラーなんですよね。私も人からもらった観葉植物が、どんどん増えるので、株分けして、親戚にあげました。上げた先でもまたどんどん増えているそうです。私は基本的にあまり植物を育てるのが上手ではないんです。大事にし過ぎて、ついつい水をやりすぎてしまうのです。日本に里帰りしたりして長期にうちを空けるときは、この園芸の上手なお姉さんに預けていきます。去年も預けていったのですが、返してもらったときにはずいぶんと成長していました。またうちで面倒を見るようになったら成長が止まって、いったいどうやったらうまくいくのかしらと思ったことがあります。

(山口)イランは国土が広くて、気候風土が変化に富んでいますから、植物の種類も本当に多種多様ですよね。私もイランの地方都市に行ったときなど、日本では見たことのない野草などが沢山あることに大変驚きました。それから、ノウルーズのころにカスピ海沿岸のある町の川辺を散策していたときには、日本でみた大きさの3倍ぐらいはありそうなジャンボサイズのツクシを見つけて、ノスタルジアを感じたことを覚えています。これから、イラン国内でまだ行ったことのない地域を訪れたら、さらに新しい植物が発見できるかもしれません。

(中村)そうですね。私もカスピ海に行ったときは蓮の花を見掛けました。蓮の実は「海のピスタチオ」とよばれて珍重されているそうです。蓮の実があるくらいだからレンコンもありそうだと思いましたが、細すぎて食用には適さないそうです。だいたい、レンコンを食べようというような酔狂な人はいないようですね。

 

リスナーより

「北九州で豪雨による大きな被害が起きて復旧工事もこれからというのに、今度は東北地方で大雨による被害が発生しました。それにしても、災害国になったので、どこに住んでも避難方法と避難先の確認をしておく必要があります。イランで異常気象と感じるようなことは起きていませんか」

ラジオより

(山口)そういえば、イランでは確か西暦の今年に入ってから、南部の地方を中心に広範囲で洪水が起きたというニュースがあったと思います。それから、イラン南東部では世界最高気温を記録したというニュースも確かありましたよね。イランのある地方都市では、本来は夏でも涼しいはずなのに今年は異常に気温が上がって、テヘラン並みになったなどという話も聞いたことがあります。イランでもやはり、地球温暖化、温室効果ガスが影響しているかと思われますが、いかがでしょうか?

(中村)地球温暖化のせいとも、都市化のせいとも言われていますよね。今年のテヘランは7月中旬のいつもなら絶対雨の降らないようなときに雨が降ったりしましたよね。おかげで数日間涼しくなりました。逆にイランの南部では記録的な猛暑だったらしいですね。SNSなどを通じて、すさまじい暑さが伝えられていました。例えば、日中のアスファルトでは本当に卵焼きが焼けてしまったり、暑さで信号機が溶けたり、外に出しておいたプラスチックのサンダルが溶けてしまったりと大変だったそうです。また暑さのために自然と電力の使用量も増えてまかないきれなくて、停電が起こったりしたそうです。南部の人の中には、せめて家族だけでももう少し涼しいところに避難させようと、テヘランに家を買う人がいたそうで、しばらくは需要が増えて家の値段が上がったと言われています。実際、私のアパートでも南部から奥さんと子どもだけやってきたと言う人がいます。夏の間だけでも涼しいテヘランにいて、学校が始まってからは、人に貸すそうです。

(山口)地球温暖化といえば、アメリカの大統領がパリ協定からの離脱を決定したというニュースがメディアを賑わせていますよね。でも、先進国のみならず、自動車の多いイランも温室効果ガスの排出規制について、何らかの策を講じる必要があるのではないかと思います。

(中村)ほんとうですよね。経済制裁などいろいろ大変だとは思いますが、排気ガスの多さには閉口します。特に日本ではハイブリッドカーが普及しているのと、ガソリンの質がよいのとで、ディーゼルでもない限り排ガスは目に見えませんし、においも気になりませんが、こちらはまだまだ改善の余地がありますね。トランプ大統領と言えば、自国の経済のことばかり考えてパリ協定から離脱しましたが、結局今回のハリケーンも地球温暖化のせいで被害が大きくなったと言われていますから、少しは考え直してほしいものですよね。