9月 20, 2017 18:55 Asia/Tokyo
  • イランイスラム革命最高指導者ハーメネイー師
    イランイスラム革命最高指導者ハーメネイー師

この時間は、西洋の文明や文化における知識や科学についてのイランイスラム革命最高指導者ハーメネイー師の見解をご紹介しましょう。

前回の番組では、イランの最高指導者であり、宗教権威でもあるハーメネイー師のの見解をご紹介する中で、知識と信仰は2つの翼であり、どちらかが欠ければ、人間と社会が現世と来世で救済を得ることはできないとお話ししました。また、ハーメネイー師は、西洋文明の知識や科学に対するアプローチを3つの点から批判しています。

 

第一の点は、中世のキリスト教会が、知識を科学と矛盾すると考えていたことです。

 

第二の点は、西側が、知識や科学を、他国を支配するために利用している点です。

 

第三の点は、西側が、他国に知識や科学を移転するのを避け、それを独占しようとしている点です。

 

今夜の番組では、この問題に関するハーメネイー師のその他の見解について見ていきましょう。

 

ハーメネイー師が西洋文明を批判している点の一つに、西側の新たな科学技術が環境を破壊していることがあります。ハーメネイー師は、西側諸国は、科学や技術を道具として捉えることで、環境を破壊し、人類に償いきれないダメージを与えていると考えています。

 

「今日、世界で科学技術を操っている人々は、その代償がどのようなものであるかを目にしている。石油を地下から掘り起こして燃やし、石油の備蓄を減らし、大気を汚染している。このような状況は好ましいものだろうか?このように生活しなければならないのだろうか?」

 

西側が知識と科学を富と結び付けていることも、ハーメネイー師が批判している点のひとつです。ハーメネイー師は、イスラムの考え方と西洋文明の考え方の明らかな違いとして、このことを挙げ、富をいかに生産できるかが、知識や科学の価値を決めると考えられている西洋文明とは異なり、イスラム文明では、知識や本質的な価値を有しているとしています。

 

「現在、西側にとって重要なのは富である。イスラムではそうではない。知識や本質的な価値を持っている。西側は、科学を富に変えることのできる要素として価値を見出すものと見なし、ドルやポンドを手に入れることができる科学や知識に価値があると考えている」

 

ハーメネイー師は、イスラムの見解を説明する中で、知識と科学を、人間や社会を向上させ、人生の恩恵を増やすための要素だとしています。

 

「現在、物質的な世界の問題は、すべてのものを富に換算して考えることである。この発明にはどれほどの価値があるのか?このことを勉強したり、教えたりすれば、どれほど富が作り出されるか? しかし、活動の価値を富によって考えないとき、その活動は真の価値を見出し、高まるのだ。善い行いは広がっていく。至高なる神からも受け入れられる」

 

ハーメネイー師は、他国の頭脳を盗むための西側諸国の努力を批判し、次のように語っています。

 

「現在、残念ながら、多くの国の国民は、自分たちの能力を活かすことができていない。ある国で学び、学術的に高い地位を得た若者がいる。その国が彼の知識を活かそうとすると、敵がやって来て彼を連れ去り、彼の国から遠ざける。これは頭脳の流出である。これも各国の悩みである」

 

ハーメネイー師は、西側諸国は若い学者を惹きつけるために、彼らのために多くの魅力を作り出しているとし、次のように語っています。

 

「世界の他の地域の優秀な人材を盗み、連れ去る。ヨーロッパのこの優秀な人材を連れ出す問題は、第三世界が長年にわたって苦しんでいる問題である。西側は、どこかに優秀な人材がいると知れば、さまざまな可能性や資金、魅力によって、その人材を奪い、自分たちのもとに置き、その才能を利用する。これは現在、世界で普通に行われている」

 

ハーメネイー師は、西側諸国がイランのイスラム体制に敵対している理由の一つは、イランが科学技術の発展に真剣に取り組んでいることにあるとし、このことは、西側が、科学技術の発展に疲弊していること、また、独立諸国が、政治、軍事、経済、科学の様々な分野で力をつけることを、彼らが恐れていることを物語っているとしています。ハーメネイー師はこれについて、次のように語っています。

 

「アメリカの覇権主義体制がイランのイスラム体制に敵対しているのは、イスラムやイスラムの教えの名のもとに、ある国が科学的な発展に向かっていることを目にし、その力が彼らの影響力を抑えることになると考えているためである。彼らは、自分たちの領域の外で、科学的な発展を遂げようとしている国に敵対する。彼らは、科学や発展の分野で、自分たちと競い合おうとする国に敵対する」

 

ハーメネイー師は、イランの核問題への長年にわたる理にかなわない敵対は、西側が、イランの科学的な発展を恐れていることの明らかなしるしだとし、これについて次のように語っています。

 

「イランは核爆弾を作ろうとしていると言われた。彼らはそうではないことを知っている。彼らはイラン国民が新たな科学技術を手に入れないことを望んでいる。覇権主義者は、イランが科学的な発展を遂げないことを望んでいる」

 

ハーメネイー師は、知識や科学に対するイランのアプローチを説明する中で、西側の知識や科学は彼らの文化と分けて考えることができ、それらは互いを補う存在ではないとしています。

アナ2

ハーメネイー師は、第三世界の学者や思想家の自信のなさや模倣が、これらの国の科学的な遅れの原因になっているとしています。ハーメネイー師は、この問題とともに、西側諸国が様々な手段によって、独立諸国の、特に科学技術の獲得に関する発展や成長を妨げていると考えています。ハーメネイー師は、これらの国をさげすみ、これらの社会の学者から独創性や有機を奪うことを、西側の妨害の最も重要な手段として挙げています。