2月 20, 2018 19:11 Asia/Tokyo
  • イランの農業 
    イランの農業 

FAO国連食糧農業機関の統計によれば、イランは世界最大の農業国のひとつです。イランは自国だけでなく、ペルシャ湾岸諸国のニーズもまかなっており、主要な農産品の3分の1に関して、世界の上位を占めています。

農業部門の発展は、常に、各国にとって重要な問題となっています。農業部門は、国の経済の戦略的な部門のひとつです。農業部門の食料確保の重要性は、世界の人口が増えるにつえて高まっています。

 

FAOの予想によれば、世界の人口は今後40年で90億人に達しますが、水や土といった農業に必要な天然資源は毎年、減少しています。この問題とともに、気候変動や地球の温暖化も、農業の状況を困難にしています。

 

また、さまざまな統計は、農村人口の減少が続いていることを示しています。この数十年、農村の人口は減少し続けており、その現象は世界中で見られます。農村人口の減少による悪影響は、開発途上国の間で特に顕著です。開発途上国の人口のほとんどが農村で暮らしていることから、これらの国の農業は、国民の暮らしや社会的な点から重要です。

イランの農業

 

農業は、歴史の中で、人間の最も古い生産活動です。現在、経済発展の観点の点から、人口が増え続ける中での食料やその安全の確保、農産品の輸出増加による投資の確保、工業に必要な原料の確保、関連する生産活動の発展の支援といったことが、農業部門の重要な責務や役割となっています。

 

農業生産の増加は、外国からの食料の購入の必要性を減らし、国家の貿易収支をプラスにする一方で、農業部門は工業部門よりも少ない投資で済みます。農業部門の重要性により、専門家は、この部門は各国の経済の発展において重要な役割を果たすことができると考えています。このことから、農業部門は多くの国で発展の中心となっています。

 

FAOによれば、世界の農産物は、41種類の農産品と25種類の畜産品を含めた66品目となっています。とはいえ、これは、世界で生産される農産物が66種類のみだということではなく、世界の主な農産物の数を示しています。

 

世界の農産物の輸出と輸入は、35種類の主な生産品に頼っています。世界の国々の中で、畑作による農産品を輸出している国は64か国、また、果物を輸出している国は55か国あります。また、世界の200か国以上が、農業部門で活動を行っています。

 

イランは農業の盛んな国のひとつです。イランの農業部門は大きな重要性を有しています。イランの土地のおよそ3分の1が、農業を行う可能性を有しています。

 

統計によれば、イランは20種類以上の主な農産物の生産において、世界のトップ7か国に入っています。農産品の生産の多様性の点でも、世界3位です。また、10種類の農産物の輸出に関して、1位から10位に入っています。

 

イランの農産物の主な輸出先は、イラク、アラブ首長国連邦、アフガニスタン、ロシア、トルコ、パキスタン、スペイン、中国、香港、インド、カザフスタンとなっています。

 

イランはサフランやピスタチオの生産国として知られていますが、デーツとアンズは世界2位、アーモンド、アメリカンチェリー、きゅうり、スイカは世界3位の生産国となっています。

 

イランはまた、リンゴ、マルメロ、クルミ、イチジク、桃、スイートレモン、たまねぎ、トマト、オレンジ、キウィ、はちみつ、茶、ナス、ジャガイモ、大豆、大麦など、29品目の生産において、世界の上位20か国に入っています。

 

イランのナツメヤシ、デーツは、インドなどの一部の国で人気があります。また、ペルシャメロンと呼ばれるメロンの一種は、イラクで人気があります。ザクロは、韓国などの一部の国に輸出されています。またイランは、米やヒマワリの種、肉や牛乳の主な生産国ともなっています。

ナツメヤシ

 

現在、国の生産品を世界市場に提供するためには、国際市場特有の基準や指標を守ることが必要になっています。これらの基準は非常に多岐に渡り、政治的、経済的なリスク、地域の状況や経済の安定から、市場の規模、潜在的な成長率といったことが含まれます。

 

現在、世界貿易において、輸出に成功する国とは、提供先の国の貿易政策に影響を及ぼす要素、外国の競争相手、価格設定の方法を知っている国です。目的地の市場へのアクセス、地理的な距離や運輸にかかる費用の考慮、文化的な共通点といった事柄も、農産品の輸出先を決定する上で重要な要素となっています。

 

展示会や見本市を開催し、これらに参加することも、農産品の市場獲得において重要な方法のひとつです。世界の見本市の開催は、およそ3500年の歴史を有しています。見本市や展示会が現在のような形で行われるようになったのは、19世紀半ばのことで、工業国で始まり、その後、ほぼ世界中に広まりました。

 

イランでの農業に関する見本市の開催は、食料生産部門の最新の業績を紹介し、関連産業の交流を目的にしています。また、イランの生産業者が他国の見本市に参加することで、イランの製品を他の国々の企業関係者などに知ってもらう努力が行われています。

 

今後、開催される予定の見本市のひとつに、イランエキスポ2017があります。この見本市には、農産品の輸出業者やナレッジベース企業が参加し、イランの輸出の可能性を紹介しようとしています。

 

イランエキスポ2017は、今月31日から11月3日まで、4日間に渡り、テヘランで開催されます。この見本市については、ウェブサイトwww.irantsn.comで詳しく紹介されています。

 

 

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