同性愛
今回は、西洋諸国でフェミニスト思想が広まった結果の1つである、同性愛についてお話することにいたしましょう。
フェミニズムは、女性の権利を求める運動として、19世紀半ばからアメリカで始まり省略ました。西洋諸国におけるフェミニズムは、女性たちにとって比較的プラスといえる結果をもたらしましたが、この現象を深く掘り下げて研究してみると、マイナスの影響の方がはるかに大きかったと言えます。フェミニストたちが過激な立場をとったことなどの要因により、西洋諸国などの社会は倫理的に退廃しました。そうした要因の1つとして、同性愛の拡大が挙げられます。
同性愛は、省略多くの宗教や文化においても強く非難されています。しかし、この現象は西洋諸国において拡大しつつあります。現在、男性同士、或いは女性同士で一緒に生活しているという新しい家族形態が増加しており、中にはこうした家族が旧来の家族に取って代わっている場合もあります。このような現象は、特に現代のフェミニストの一部の間で注目され、受容されています。
フェミニストたちは、当初から同性愛を支持していたわけではありませんでした。しかし、この50年間において、男女の性的行動に関して平等を求めるフェミニストたちの思想は、結果的に同性愛の支持につながっています。フェミニストの一部は、女性同士の同性愛を妊娠や出産、母親としての責務といった問題なしに性的な快感を得る最高の方法の1つだとし、同性愛との戦いを女性に対する弾圧だとしてきました。
しかし、一部のフェミニストが同性愛に反対していることは、注目に値します。アメリカ人のベティ・フリーダンのようなフェミニストは、女性の同性愛によりフェミニズムが職業上の平等といった当初の目的からかけ離れてしまった、と考えています。フリーダンは、1977年の会議において、同性愛の女性をこの会議から締め出しており、このことにより同性愛を支持するフェミニズムの分派が出現することになりました。
女性の同性愛を支持するフェミニストは、このような方法を従来の良妻賢母のモデルに取って代わる、正当なモデルと見なしています。それによれば、1つのジェンダーしかない社会では、女性は女性的な感情に基づいて、互いに貢献しあうことができるとされています。それではここで、家庭問題の専門家であるアーホンダーン博士の話をお届けすることにいたしましょう。
「現代において、一部の国では同性愛を一般化することが普通となっており、言論や行動の自由の一部として捉えられている。同性愛を支持する集団の1つは、女性の同性愛関連の活動を行うフェミニスト団体である。フェミニストたちは、個人の問題は政治の問題であるとのスローガンを掲げて、同性愛を歓迎した。このことから、フェミニストは同性愛をその政治的な性質のために支持していると言うべきだろう。1970年代に同性愛の問題が初めて政治の舞台に登場したばかりのころ、フェミニズムは政治の舞台で全面的な活動を開始した。このため、女性の同性愛は、しばらくの間はフェミニズムと同じものとして捉えられていた。フェミニストは、様々な論文や書籍を出版し、事実上、男性との結婚を拒否することで、男性に優位な社会構造に反発するよう、女性たちに呼びかけた省略」
フェミニズム運動は、家庭という組織を女性の抑圧の場所、そして女性を貶める最大の要因だと吹き込むことで、西洋の社会における家族関係や、社会の最小単位としての家庭の存在感を弱めてきました。この問題は深刻化しており、現在では家庭崩壊はリベラルな民主主義体制が抱える最大の問題の1つとなっています。家庭の基盤が失われ、結婚が無価値なものと見なされるようになれば、男女のいずれも、結婚という約束を離れて、締りのない自由を求め、最終的に同性愛にまで至るのは自然なことでしょう。
一方、人々の間で同性愛がより受容されてくると、同性愛者による世帯の数が増えることになります。こうした家族は、養子をも迎えて自らの要求に合法性をもたせようとします。アメリカでは、ある会合において、同性愛者の婚姻関係は法的に見て、特別な条件の下において成立しうると発表されています。
現在も、アメリカの一部の州では同性愛者たちが正式な結婚式を実施しています。この数年、同性愛者や、通常の形態でない特殊な家族は、同性愛者同士の結婚や妊娠・出産に関するサービスの利用、ゲイやレズビアンの権利といった社会的な権利の獲得に向けて努力してきました。
同性愛の拡大と、それに伴うエイズなどの発生といった結果は、特にアメリカを始めとする先進国で報告されています。それは、アメリカでは男女の関係や性的なニーズを満たす方法が世界で最も多岐にわたるとともに、最も過激な方法で追求され、しかもそうした行為は自由でごく普通のこととされているからです。これまでの調査によれば、同性愛に反対しているのはアメリカ人全体の65%に留まっています。こうした状況とともに、現代の一部のフェミニストは男女平等の場において、同性愛者による家族やカップルを、旧来の家族形態に代わる適切なモデルと見なし、これを喜びに満ちた家族だとしています。
同性愛が進む傾向は、西洋社会にとって危険な結果をもたらしています。様々な調査結果から、女性の同性愛者・レズビアンの乳がんの危険因子には主に、肥満やアルコール摂取、喫煙、出産経験のないことなどが挙げられます。
さらに、アメリカ疾病予防管理センターによれば、同性愛者やトランスジェンダーの人々は、そうでない普通の人に比べて、アルコールの摂取や麻薬の服用の割合が高く、またそれらをなかなか止められないとされています。専門家の見解では、その理由として、こうした異常な性的関係が人間の体の組織や神経系、さらには精神にまで破壊的な影響を及ぼすことが指摘されています。
同性愛は、精神面や衛生面での弊害に加えて、そもそも人間の本質に反するものです。このため、イスラムを初めとする啓示宗教は、こうした逸脱行為に反対しています。省略イスラムの価値観や思想体系の源は、神の命令であり、人間の生活にとって有益か、そうでないかという真理に端を発しています。しかし、フェミニズム思想の構造は、不自然で人為的な価値観や、人間の物質的な欲求に基づいて形成されています。
家庭やその機能に関するイスラムの教えは、権利と義務における男女の違いに注目した上で、健康的な生活をもたらし、現世と来世での幸せを含んだものとなっています。しかし、フェミニズムは創造世界に対する人間の解釈のみをもとに、物質的なアプローチに訴え、人間を中心に据えて、権利と義務における男女の平等や類似性を強調した家族計画を提唱しています。ですが、このような計画は決して人間の本質に合致するものではなく、このような思想に従う人々に安らぎがもたらされることはありません。
同性愛は、心理学や社会学に関する出版物の多くにおいても批判され、省略また、全世界で大きな批判を浴びています。国際機関の多くも、こうした道徳的な逸脱の危険にさらされながら沈黙している人々を擁護するため、声明を発表し、行動を開始しました。特にレズビアンを初めとする同性愛に最も反対しているのは、旧来の形態の家庭や子どもの権利を擁護する団体です。また、マレーシアや東アジアの国の多くは、同性愛を家庭や子どもの権利を脅かす危険な要因とみなしており、家庭を本来あるべき場所に戻すべく努力しています。