6月 03, 2018 21:55 Asia/Tokyo
  • ザーリヤート章まき散らすもの
    ザーリヤート章まき散らすもの

今回はコーラン第51章ザーリヤート章まき散らすものについてお話しします。

慈悲深く、慈愛あまねき、神の御名において

 

ザーリヤート章はメッカで下され、全部で60節あります。

 

ザーリヤート章では主に、復活、不信心者への非難、敬虔な者たちの運命、創造世界における唯一神のしるし、預言者イブラヒームのもとに現れた天使たちの物語、ルートの民の運命、預言者ムーサーの物語への簡単な言及、アード、サムード、ヌーフの民、過去の預言者たちとの頑なな民の闘争、イスラムの預言者への勧告、創造の哲学などについて語られています。

 

ザーリヤート章の第1節から6節を見てみましょう。

 

「[雨を降らす雲と植物の種を動かし、]散らす風に誓って。[雨という]重荷を運ぶ雲に誓って。楽に[海を]走る船に誓って。様々な事柄を分担する天使に誓って。彼らがあなた方に約束する事柄は皆、間違いなく真実である。明らかに、復活の日は必ず起こる」

 

この章は、誓いを繰り返すことによって始まります。その誓いには深い意味があり、熟考と見識を呼び、世界における神の全体的な措置を物語っています。これらの誓いの内容は、独特の優美さによって、復活の問題を追い求めています。実際、コーランの誓いは、この天啓の書物の驚くべき点の一つであり、その最も美しい部分でもあります。神はこれらの誓いにより、僕たちに、自らの偉大さと力の痕跡への注目を促しています。

 

この章の初めにある誓いは、それらの結果と明らかな調和や結びつきを有しています。雲が動き、雨が降り、その結果、死んだ大地がよみがえること、それは現世における復活と最後の審判の場面を示しています。原則的に、復活の可能性を示す根拠の一つは、雨が降ることによって死んだ大地がよみがえることであり、コーランは何度もそのことに言及しています。

 

コーランの誓いは、その後にくる内容の重要さを示しています。これらの誓いの後、神はこのように語っています。「あなた方に約束されたことは間違いなく真実であり、明らかに、復活の日は必ず来るのである」

ここで必ず起こる約束とは、最後の審判、清算、報奨と懲罰、天国と地獄を指しています。

 

 

「地上には、信心深い人々のための数々のしるしがある」

 

ザーリヤート章の第20節から先は、地上や人間の中に見られる神のしるしをいくつか挙げています。地上における神の知識と力のしるしは、本当に数多くあります。

 

地球の大きさ、その太陽までの距離、地球の自転と太陽の周囲の公転、引力とそれによって生じる反発力、これらは皆、互いに完全に調和とバランスの取れたものです。これらの事柄は、非常に正確かつ賢明な形で調整されており、地球で生き物が生きるための条件を整えています。もしこれらの動きや距離の一つがわずかでも狂ったなら、地球で生き物が生きる可能性は失われてしまうでしょう。明らかに、これらは神の偉大さのしるしの一つなのです。

 

地球を構成するもの、生き物が生きるために地球に用意されたあらゆる資源は、それぞれが神の賢明な措置のしるしです。山、平野、森林、海、河川、泉、これらはそれぞれが、地球で生き物が生き続けるために効果的な役割を果たしています。また、不思議な特徴をそれぞれが持つ植物や動物も、創造主である神の偉大さを示す例だと言えるでしょう。

 

 

ザーリヤート章の第21節では、人間にこのように語りかけています。

 

「あなた方の存在の中にも[数々のしるしがある]。あなた方には見えないのか?」

 

興味深いのは、これほど多くの知性や能力、独創性を有している人間が、最初は価値のない精液でありながら、母親の胎内にいるときに成長し、短期間で完全な人間になることです。人間の体の最も微細な部分である細胞は、驚異的な構造を持っており、学者たちによれば、そこには一つの産業都市に相当する組織が存在するということです。

 

ある生物学者は、このように語っています。「この巨大な都市は、数千もの工場、管、司令部、多くの施設などを持つ驚くべき町である。もしこれらと同じ作業をこなす施設を作ろうと思えば、複雑な機械や様々な建物、施設をそろえられるだけの広い大地が必要である。そうすることで初めて、これらの計画を行う準備ができる」 興味深いのは、創造のシステムが、これら全てを非常に小さな空間の中に据えていることです。

 

心臓、肝臓、腎臓、そして、何キロにも及ぶ大小の血管、人間の体の何兆もの細胞に栄養を与える、目には見えない毛細血管、視覚、聴覚など、これらは皆、神のしるしであるのです。そして何より重要なのは、生命の神秘であり、その秘密は明らかにされていません。そのとき、人間はおのずと神を称賛し、その偉大さの前に頭を垂れるのです。

 

 

 

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