6月 13, 2018 20:17 Asia/Tokyo

この時間は、イラン西部イーラーム州の中心都市、イーラームについてご紹介しましょう。

イーラームは、ケルマーンシャー、サナンダジに次いで、イランのクルド人が住む町の中でも3番目に大きな都市です。この町は、美しい自然と緑の豊かさにより、ザグロスの花嫁と呼ばれています。

 

イーラームという言葉は、山岳地帯のことを指します。バビロニアの碑文には、イーラームについて、山岳地帯、あるいは太陽が昇る国、という意味の単語が使われています。現在のイーラームは、1929年にホセインアーバードという名の地区に新たに建設されました。

 

イーラームは、山の間にあることから、周辺の都市に比べて温暖な気候を有しています。イーラームは、イラン西部の開発された町のひとつであり、多くの歴史的な建造物や森林があることから、たくさんの観光客が訪れます。

 

イーラームの散策地には、避暑地のタジュリヤーンの森、4000ヘクタールのチョガーサブズ森林公園があります。チョガーサブズ森林公園には、杉やカシ、ピスタチオ、クルミの木が見られます。

 

 

 

イーラームでまず目に入るのは、緑の豊かな丘です。この古い丘は、かつてはウサギの生息地でした。

 

この丘に立つと、その下に広がる町全体を見渡すことができます。そのため、地元の人々は、ウサギの丘をイーラームの屋根、あるいは屋上と呼んでいます。この丘の上は静寂に包まれており、そこから自然の美しい町の様子を見ることは、不思議な感覚をもたらすものです。さわやかな空気と丘の上空を飛ぶ鳥たちによって、心が洗われるような気持ちになるでしょう。

 

ウサギの丘

 

この他、イーラーム州を象徴するのは、ギーラーンの城塞です。この城塞は、ギーラーンの山の上に建てられています。この山は、美しい森を見渡します。アルサケス朝からイスラム後の時代のものである城塞の建物とこの山は、イーラームの町に美しい景色を作り出しています。

 

イーラームのギーラーン城塞

 

イーラームの美しい自然の見どころの一つに、イーラームから5キロ離れたところにある、アルガヴァーン渓谷があります。毎年春になると、アルガヴァーン渓谷は、色とりどりの美しい自然に囲まれます。この渓谷は、紫色のセイヨウハナズオウに溢れ、カシの木の緑と黄いろいアンズの実とともに、きれいな色どりを作り出します。

 

 

アマーの散策地は、イーラームの南に25キロのところにあります。この散策地はイーラームの観光の中心地で、夏になると、多くの観光客の姿が見られます。

 

この地区には非常に美しい大きな滝があります。この滝の壁にあるさまざまな植物が、その美しさを倍増させています。また、周囲にはカシやブドウ、イチジクの木があります。

 

イーラームには、この他にも美しい滝がたくさんあります。

 

 

 

天国の滝と呼ばれるズィーナフガーンの洞窟は、イーラームのサーレフアーバードという地区にあります。この洞窟は、必ず見学すべき場所だと言えるでしょう。この洞窟が天国の洞窟と呼ばれるようになったのは、そのひんやりとした空気によります。天国の洞窟は、1キロ以上の長さがあり、内部は水が豊かで、数々の鍾乳石があります。

 

洞窟の中はくねくねと曲がりくねっており、天井から壁までがつながっています。

 

 

 

この地区には、チャムアヴという名の村の手前に、同じチャムアヴという名前の滝があります。この滝は、非常に高い場所から下に向かって流れ落ちています。この滝の水は、短い距離を流れた後、川に流れ込んでいます。チャムウーをさらに進んで村を抜けたところにも、岩の間から流れる滝があります。

 

イーラームのギャチャーン地区も、独自の美しさを有しています。この地区は、カシの木で覆われており、背の高い山と渓谷、泉、滝があります。この泉の澄んだ水は、周辺の村の人々の飲料水になっている他、クルミの木やそのほかの果樹の灌漑にも使われています。

 

 

ここからは、イーラームの建築をご紹介しましょう。

 

イーラームのガージャール朝時代の重要な建造物のひとつが、ヴァーリー城塞です。この城塞は、チョガーミーラグと呼ばれる丘の上に建設されています。この城塞には、王の広間や鏡の部屋、地下の牢屋などの数々の部分があり、3つの入り口があります。

 

城塞のメインの入り口は、南側に位置しています。高さ20センチの11段の階段によって見張り番の部屋に入り、その後、8段の階段を上ると中庭に達します。レンガが崩れている様子や、壁のアーチ、上部のレンガの装飾は、独自の美しさをもたらしています。

 

王の広間の壁には、漆喰細工や鏡細工が施されています。壁の外部は、長方形の石で装飾されており、唐草模様が浮き彫りになっています。

 

 

イーラームのこの他の建造物に、ファラーハティ宮殿があります。この宮殿は、イーラーム州農業機関のしきちないにあるため、農業宮殿とも呼ばれています。この宮殿は、美しいレンガ細工の外観で、中央に大きなサロンのあるテラスがあります。かつてこの宮殿は、庭園の中にありましたが、都市の拡張により、開放された空間は、建物と通りに変わり、かつての姿を失っています。

 

 

イーラーム州は、1日では回りきることができません。この美しい自然を目にし、神の創造の神秘を感じるためには、数日かけてゆっくりとまわることをお勧めします。

 

 

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