セムナーン州の風俗習慣(1)・言語
今回は、セムナーン州で話されている独自の言語をご紹介することにいたしましょう。
イランの広大な領土は、人間が最初に定住した場所のひとつであり、文明の出現の最初の中心と見なされています。イランの各地には、様々な文化や生活様式を持った様々な民族が暮らしています。それらの人々から残された記憶、風俗習慣は、人類社会の歴史や文化遺産の一部として、特別な重要性を帯びています。イラン北部、テヘランの東にあるセムナーン州は、こうした地域の代表です。この州は、イランの領土において最も古い人類の定住地であり、様々な方言が使用され、貴重な文化遺産を有しています。それを人類の文化の一部として維持し、伝えていくことは必要なことです。
研究者の中には、セムナーンを方言の島と呼び、イランの純粋な方言のひとつが話されている町と見なす人々もいます。彼らは、セムナーンの言葉を古代語であるパフラヴィー語に近い言語だとしています。
セムナーンの方言は、その独自の特徴により、昔からイラン国内外の研究者によって注目を集めてきました。それについての数多くの研究が行われ、論文が書かれています。これについて、デンマークの研究者アルトゥール・クリステンセンの調査を挙げることができます。
研究者によれば、セムナーンの方言は多様で、それを習得するのは容易ではありません。セムナーンの方言の特徴の一つは、各地区や村の住民が独自の方言を話すことで、それもそれほど距離が離れていないところに住む住民でさえ、それぞれの方言を話すほどで、それらは発音が完全に異なっている、ということです。
セムナーンの方言は文法においてもペルシャ語とは異なっています。単語の数や慣用句の豊富さがこの言語の特徴です。男性名詞と女性名詞の存在、その動詞への影響がセムナーンの言語の特徴であり、現在のペルシャ語にはそれがありません。研究者の中には、セムナーンの方言は数千年が経過した今も、アヴェスター語やパルティア語など、イランの古代の言語の文法の多くを維持していると考える人々もいます。ここからはセムナーンの人々の口承文学についてお話しすることにいたしましょう。
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