9月 14, 2019 22:52 Asia/Tokyo
  • イラン北部ギーラーン州
    イラン北部ギーラーン州

今回も前回に引き続き、カスピ海沿岸ギーラーン州の人々の間で行われている支援についてお話しすることにいたしましょう。

ギーラーン地方では絹を作るための養蚕業が昔から行われています。支援の一つに、蚕の繭を集める作業があります。蚕の卵は特別な条件のもとで幼虫となります。一定の期間眠りと目覚めを繰り返し、桑の葉を養分にして成長し、最後に糸を吐いて繭を作ります。繭は一定の時期に集められ、太陽の下、または工場の適切な温度管理の下で乾燥させられ、成虫を死滅させます。もしこの過程が遅れると、蚕は成長し、繭を破って外に出てきてしまいます。繭はすべて繋がった糸ででてきているため、穴のあいた繭は製糸には向きません。養蚕家は決まった日に友人や知人を繭集めに呼び、昼食を用意します。知らせを受けた人々は養蚕家を助けるために集まり、繭を集めます。

 

この他、様々な支援がギーランの村にあります。たとえば、酪農家が十分な量の牛乳が得られなかったときに行う支援があります。他の酪農家が交替でその日に得られた牛乳を分け与え、こうしてすべての人が十分な量の乳製品を得られるようにします。支援はこうしたことに限られず、家を建てる際や結婚費用の準備の際にも行われます。ギーラーンの村社会では、時間と労働力という二つの要素が重要な役割を果たしていると言えるでしょう。多くの作業を短期間で行わなければならないとき、支援を伴う労働力は生産高を最高の形で上げます。

ギーラーン州の女性

 

ここからは結婚式の支援についてお話いたしましょう。家族は人間の社会の基軸であり、結婚式は実際、新しい家族や社会の単体が生まれることを祝うものです。これにより、二人の人間が結びつくことは、常にあらゆる場所で、特別な重要性を有しています。ギーランの小さな町や村では通常、すべての人が結婚式に参加しますが、ギーラーン州の大きな町では、選ばれた親戚や友人が参加します。配偶者選びは結婚の最も基本的な段階です。多くの人が農業や畜産業に従事している村や小さな町では、男女が共に日常的な作業に参加しています。このため、自らの配偶者をこうした作業の中で、またノウルーズと呼ばれる新年やその他の祝祭、結婚式などの中で選びます。

 

男性は、パートナーを選ぶ際に常に基本的な役割を担っており、両親は子どもたちの配偶者を選ぶ際の決め手というよりも相談役になります。支援について、ギーラーンの村で広まっている興味深いもの一つは、二つの家族の結びつきが原則として仕事や生活の中での協力によって始まるという点です。この儀式の様々な協力の中で、二つの家族の間で様々な贈り物が送られる枠内で資金的な取り引きが行われます。とはいえ、その大半が新郎新婦への支援金となります。

ギーラーン州における結婚

 

男性は米作、収穫、家の屋根作り、麦刈り、その他の農作業や園芸、畜産業、養蚕など多くの仕事において未来の妻の父を手伝います。男性は通常、この作業を結婚後も続けます。女性も農作業やお茶摘みなど、未来の夫の家族を助けるのが風習となっています。一般に女性は何人かの友人たちと共に、未来の夫の母を助けます。彼女の支援は多くの場合、喜びを伴うもので、一方では夫の家族から女性に贈り物が渡されます。

 

結婚式のために、薪を準備するのも、ギーラーンの多くの地域で集団の協力として行われているものです。通常、花婿の友人や地元の若者たちが自分たちの家畜を連れて、森に薪を拾いに行きます。薪の一部は花嫁の家に、残りは花婿の家に届けられます。山岳地域ではすべての村の若者たちが結婚式の薪を集めるために協力します。薪を運ぶために家畜の首に付けられた鈴は、彼らの到着に喜びを伴わせています。米を洗うなど、結婚式の女性たちの作業もまた、2つの家族や親戚、近所、同じ村人が助け合って行われます。

 

配偶者が選ばれ、年長者たちによる承諾が得られた後、求婚の儀式が正式に行われます。この儀式は通常、年長者や長老が出席し、この中で婚約式やそれに関する事柄について決定が下されます。婚約の儀式は花嫁の家で行われ、この儀式に必要なものは通常、ハチミツ、氷砂糖、お菓子、米、聖典コーラン、鏡、明かり、花嫁の靴と服であり、喜びの中、その地域の楽器を演奏しながら花嫁の家に運びます。そして婚約の言葉が述べられた後、お菓子を食べる集会がその日のうちに、あるいは数日後に開かれます。お菓子を食べる儀式もまた、花嫁の家で行われ、両家の親睦を深めるためのものとなっています。婚約から結婚までの期間は短期間であることもあれば、1年以上のときもあります。この間、花嫁の家族は新しいカップルの生活の道具を準備し、新年や犠牲祭、その他の祝祭の際に互いに贈り物を贈ります。

 

ヘンナ染めも結婚式の重要な儀式の一つで、ギーラーンの各地で少しずつ違っていますが、通常結婚式の前の夜に行われます。ヘンナ染めは喜びの象徴で、このため最も基本的な悲しみの象徴がヘンナ染めを控えることであり、哀悼を示す人はヘンナで染めません。ヘンナ染めの儀式ではヘンナやお菓子、蝋燭の載せられた大きなお盆が両家の間で交わされ、新郎新婦の手や足がヘンナで染められます、ヘンナ染めの儀式は最終的に、喜びに溢れる中で終了します。そして結婚式のハイライトは花嫁を花婿の家に連れて行くことです。花嫁を連れて行く際、歓声や楽器の音で、すべての空間が喜びに包まれます。今日、ギーラーン市内では、そうした際に車のクラクションが鳴らされます。しかしながら一部の村では今も花嫁をこうした儀式を経て花婿の家に連れて行きます。花嫁が花婿の家に入る際には様々な儀式、風俗習慣があり、その中では贈り物を贈ることで花嫁が迎え入れられます。

 

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