北朝鮮が弾道ミサイル2発発射、韓米演習と米副大統領の訪韓けん制か
北朝鮮が、新たに日本海上に短距離弾道ミサイル2発を発射した模様です。
韓国ヨンハプ通信によりますと、韓国軍合同参謀本部は、「北朝鮮は28日水曜午後6時10分ごろと同20分ごろ、平壌・順安付近から朝鮮半島東の日本海(韓国側名称;東海)上に短距離弾道ミサイル1発ずつを発射した」と発表しました。
軍は監視と警戒を強化し、韓米間で緊密に協力しながら万全の態勢を維持していると明らかにしたとともに、軍当局は現在、ミサイルの飛行距離や高度、速度などを分析中です。
北朝鮮は、韓米による海上合同演習開始を翌日に控えた25日に地対地短距離弾道ミサイル・SRBM1発を西部の平安北道・泰川付近から日本海上に発射しており、3日ぶりのミサイル発射となりました。
このSRBMは、ロシア製短距離弾道ミサイル「イスカンデル」の北朝鮮版と呼ばれる「KN23」と推定され、高度約60キロに至り、約600キロ飛行しました。
北朝鮮の弾道ミサイル発射は今年に入り18回目、5月に韓国のユン・ソクヨル政権が発足してから6回目となり、ほかに巡航ミサイルを今年2回発射しています。
北朝鮮は韓国と米国が26日から日本海で実施している海上合同演習に反発しており、有識者の間ではミサイル発射で武力を誇示したとともに、29日木曜のハリス米副大統領の韓国訪問をけん制する狙いもあるものとみられます。
北朝鮮は常に、米軍の地域駐留が地域の平和と安定を脅かすものだとして非難しており、米が敵対政策を続ける限り自らの核・ミサイル開発を続行すると主張しています。
今回のミサイル発射について日本の松野官房長官は、29日午前の記者会見で「関連する国連安保理決議に違反するもので断じて許されず、ミサイル技術の著しい向上を見過ごすことはできない。北朝鮮に対して厳重に抗議し、強く非難した」と述べました。
なお、井野防衛副大臣は、「今回の弾道ミサイル2発はいずれも日本のEEZ排他的経済水域外に落下したと見られる。北朝鮮に対しては、北京の大使館ルートを通じて抗議した」と発表しています。