北朝鮮、「金総書記の命令でICBM・火星15発射」
北朝鮮のKCNA朝鮮中央通信が、現地時間の18日土曜午後に首都ピョンヤン国際飛行場でICBM大陸間弾道ミサイル「火星15」の発射を、高度を高めた「高角発射方式」で実施したと報じました。
韓国ヨンハプ通信によりますと、北朝鮮は今回のICBM発射訓練が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の命令により予告なしに実施されたと強調しました。
今回発射されたミサイルの最高高度は5768.5キロで、66分55秒間に989キロを飛行し、目標水域に正確に着弾したということです。
KCNAによると、ミサイル発射は「第1赤い旗英雄中隊」が行い、北朝鮮の新設組織・ミサイル総局が指導しました。
今回の北朝鮮のミサイル発射は、今月22日に予定されている米ワシントンでの米韓机上演習と来月半ばの合同軍事演習、さらには米国主導による北朝鮮への対応に向けた国連安保理の招集に対する反発とみられます。
なお、キム総書記の妹キム・ヨジョン党副部長は最近発表した談話で、「われわれに対する敵対的なことすべてに対処し、非常に強力かつ圧倒的な対応を取る」と警告していました。
さらに米国に対し、北朝鮮の安全を脅かすすべての行動を中止し、自らの安全のためにも常に深く考えるべきと指摘しました。
北朝鮮は、特にアメリカの朝鮮半島への軍事駐留や地域諸国との合同軍事演習の実施を、地域での情勢不安の元凶とみなし、アメリカがこうした挑発を続ける限り、自らの核・ミサイル計画を放棄しないと表明しています。
一方、日本の報道各社によりますと、日本政府は18日夜、首相官邸でNSC国家安全保障会議4大臣会合を開催しました。
岸田文雄首相は会議後、記者団に「今回の発射は国際社会への挑発をエスカレートさせる暴挙だ」と非難した上で「国民の安心、安全が何よりも重要だ。今後とも情報収集、警戒監視などの取り組みに全力を挙げるとともに日米、日米韓の連携を緊密に図っていきたい」と述べました。
日本防衛省によりますと、今回のミサイルは約66分間飛行し、同日午後6時27分ごろ北海道・渡島大島(おしまおおしま)の西約200キロの日本のEEZ排他的経済水域内の日本海に落下したとみられています。
ちなみに、船舶や航空機などの被害情報は報告されていません。