中国、「ロシアはウクライナとの和平交渉再開を約束」
中国外務省は、ロシアがウクライナとの和平交渉を再開すると約束したことを明らかにしました。
中国政府は、ウクライナとロシアの戦争に対して中立であることを常に強調している一方で、中国とロシアとの関係について「何の制約を受けることもない」としています。
中国の習近平国家主席によるロシア訪問は22日水曜に終了しましたが、それに合わせて中国外務省は、「両国首脳は会談の最後に、ウクライナ問題に関する共同声明への署名を行った」と発表しました。
この発表によれば、ロシア側は和平交渉をできるだけ早いうちに再開すると改めて約束し、中国側はこれを大きく評価したということです。
ロシアと中国の情報筋はこれ以前に、習国家主席のロシア訪問で焦点となる事柄の中には、ウクライナ危機および、ロシアとウクライナを交渉の席に戻すための中国による仲介の試みがあると報じていました。
また、中国の秦剛外相も習国家主席のロシア訪問について触れ、「我が国とロシアの両首脳は、協議において大くの点で合意に達しており、その相互協力は戦略的かつ信頼に足るものだ」と述べました。
そのうえで、地域に緊張を生み出そうとするアメリカの企みを指摘し、「地域の国々は用心深くして、米国による強制や搾取を断つべきだ」としました。
一方、ロシアのプーチン大統領は21日火曜、「西側とウクライナにその用意があるならば、中国の提示した案はウクライナでの和解の基盤となりうるだろう」と述べています。
中国の案では、ロシアとウクライナの間での和平交渉開始、停戦、西側による対ロシア制裁の終了、核施設の安全確保に向けた措置実施、民間人非難のための人道回廊の設置、穀物輸出を確実にする措置などが強調されています。
この案はさらに、すべての国について「その主権、独立、領土保全を実際的な形で保証する」という中国の立場を示しながら、「冷戦的思考」を終わらせるように求めています。
このような中、ウクライナ戦争開始より同国への武器を供与する主要な国の1つとなってきたアメリカは、紛争終結を目指す中国の和平案を拒否し、「中国政府は中立な調停役ではない」としました。
ロシアとウクライナの戦争が13か月目に入り、その影響が政治、軍事的、経済、社会といった各方面に広がる中、西側は依然としてウクライナへ武器を送り続けています。
西側諸国、中でもアメリカは、制裁によりロシアへの圧力を強め、さらにウクライナへあらゆる種類の重軽兵器を供給することで、この戦争の終結に向けた一歩を踏み出さないばかりか、戦火をさらに煽り立てています。