U-20サッカーW杯抽選会中止、イスラエル出場にインドネシア国内で反発
インドネシアで今年5月に開催されるサッカーU-20W杯の組み合わせ抽選会が中止されました。
フランス通信が28日火曜、報じたところによりますと、インドネシア首都ジャカルタの関係者は、今年5月に同国で開催予定のサッカーU-20W杯の組み合わせ抽選会が中止されたことを明らかにしました。
関係者は抽選会中止の主な要因について、「インドネシアの観光地バリのワヤン・コステル州知事が今月、青年・スポーツ省に対し、パレスチナへの政策をめぐってシオニスト政権イスラエル代表チームの出場禁止を要請する書簡を送っていたことのようだ」と述べています。
インドネシアは現在イスラエルとは正式な外交関係を結んでおらず、イスラム教徒の人口が世界で最も多い同国ではパレスチナ支持派が多いことから、現地ではイスラエルの出場に反発する声が高まっています。
なお、数日前には、インドネシアの観光地バリの州知事がイスラエルを大会から除外すべきと呼び掛けていました。
U-20W杯には計24か国が出場予定で、その組み合わせ抽選会は今月31日にバリで行われることになっていましたが、PSSIインドネシアサッカー協会は26日日曜、FIFA国際サッカー連盟が理由や代替日程は告げずに抽選会を取りやめたと発表していました。
イスラエルは初めて予選を突破して本大会の出場権を獲得しており、インドネシア政府側は同国の参加を保護すると表明していました。
大会主催者は、ヒンズー教徒が多数を占めるバリでイスラエルの試合を行うことで、自国の反発が和らげられることを期待していましたが、コステル州知事の反対により暗雲が漂っています。
今月にはイスラム教徒の保守派約100人が、イスラエルの参加に抗議してジャカルタでデモ行進を行っていました。
ジャカルタの関係者は、この状況が解決されなければ、インドネシアが同国史上初となる主要国際大会の開催権を失い、FIFAからも孤立する恐れがあると述べています。