May 01, 2023 18:20 Asia/Tokyo
  • 韓国大統領の訪米
    韓国大統領の訪米

韓国大統領のアメリカ訪問が、大きな批判を引き起こしています。

ユン・ソクヨル韓国大統領の1週間にわたるアメリカ訪問は、30日日曜に終了しました。ユン大統領は今回の訪米中、ジョー・バイデン米大統領とも会談しました。

両国首脳は「ワシントン宣言」とされた声明の中で、いわゆる「北朝鮮の脅威」に対抗する抑止力強化を目的とした、韓国への核兵器や戦略装備の配備について表明しました。北朝鮮は、こうした姿勢を核戦争を開始する試みと表現しましたが、このような配備に対しては、韓国内でも批判を呼び起こしています。

IRIB通信によりますと、韓国チュンアン大学の社会学教授は、「韓国は、朝鮮半島、東アジア、さらには世界で新たな冷戦の開始を促進することになる。ユン政権は、朝鮮半島の緊張緩和ではなく、新たな冷戦を扇動し完成させる役をわざわざ買って出ようとしている」としました。

さらに、ユン政権がアメリカと日本の過激派のすべての要求に追従したとして非難し、「ユン大統領は韓国を、独立性がなくコントロールのきかない弱い国にしてみせた」としました。

北朝鮮は、「アメリカおよび同国に同盟する韓国や日本をはじめとした地域諸国の挑発的な行動は、朝鮮半島における緊張、不安定、軍拡競争の元凶である」と繰り返し表明してきました。

韓国の新聞「ハンギョレ」も、北朝鮮のこうした予測の正当性を認め、「米国が核弾頭搭載可能な潜水艦などの戦略装備を朝鮮半島に配備すれば、朝鮮半島および東アジアの緊張が高まると懸念される」と述べています。

北朝鮮が、南の隣国と米国の脅威に対処するために自らの軍事抑止力を強化している、と表明したことは注目に値します。また、公開された衛星画像でも、北朝鮮の核兵器センターの1つにおいて活動・建設行為が進められていることが示されています。 専門家の見解では、これらの画像は北朝鮮の核抑止力の強化プロセスの開始を裏付けるものだということです。

ソウル発行の保守派新聞「朝鮮日報」は、ワシントン宣言発表後に社説において、この宣言を「韓国の足元に核の鎖を結びつける」ものであると評しています。

韓国のシンクタンク「セジャン」に務める核兵器開発の熱烈な支持者である主任研究員も、ワシントン宣言の発表後、「NPT核兵器不拡散条約からの脱退というわれわれの権利を自発的に放棄したことは遺憾である。このことは、北朝鮮が核兵器で私たちを脅かしたときにより明確になるだろう」とコメントしました。

 


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