北朝鮮の若者らが抗議デモ、韓米首脳宣言に反発
(last modified Wed, 03 May 2023 07:13:30 GMT )
May 03, 2023 16:13 Asia/Tokyo
  • 北朝鮮の若者らが抗議デモ、韓米首脳宣言に反発
    北朝鮮の若者らが抗議デモ、韓米首脳宣言に反発

北朝鮮で、拡大抑止の強化を盛り込んだ韓米首脳の「ワシントン宣言」を非難する若者、学生による集会が開かれました。

韓国ヨンハプ通信によりますと、北朝鮮で2日火曜、拡大抑止の強化を盛り込んだ韓米首脳の「ワシントン宣言」を非難する若者、学生による集会が開かれ、韓米の首脳に見立てたかかしを火あぶりにするパフォーマンスも行って敵意をむき出しにしました。

北朝鮮のKCNA朝鮮中央通信は3日水曜、「反共和国(北朝鮮)核戦争の企図を露骨に示した希代のならず者国家、悪の帝国米国と、同族対決にのめり込むかいらい逆賊を断固として懲罰するための青年学生の復讐(ふくしゅう)決起会が2日、信川博物館で行われた」と伝えました。

信川博物館は南部・黄海南道にある戦争博物館で、反米教育の拠点とされています。

デモ参加者らは「侵略者、挑発者のかかしを燃やす火刑式」も行い、「米国の老いぼれ戦争首領と特等下手人であるかいらい逆徒の醜悪な体たらくが灰と化すよう懲罰の熱をたぎらせた」ということです。

また、韓国のユン・ソクヨル大統領が4月下旬に国賓として米国を訪問したことを「最も敵対的で侵略的、屈辱的な対米屈従行脚、核戦争行脚」と見なし、「謀略文書はわれわれに対する敵対心に満ちた犯罪的な野望の産物」と非難しました。これは韓米首脳が発表したワシントン宣言への不満とみられます。

さらに、韓米の動きが現在の厳しい情勢をつくり出しているとしながら、「党と国家が取っている核武力を中枢とする国防力強化措置がどれほど正当なのかをはっきりと証明している」とも主張しました。

なお、これらの集会には社会主義愛国青年同盟中央委員会の委員長や黄海南道の党委員会書記らが参加しました。

韓国のユン・ソクヨル大統領は、「最近の米国訪問の目的は、いわゆる『北朝鮮の脅威』に対する抑止力の強化である」と表明していました。

ユン大統領のワシントン訪問は先月30日に終了しました。

ジョー・バイデン米大統領との合意を含む「ワシントン宣言」は、ユン大統領の主な成果であった一方で、この訪問の中で最も大きな非難を招いた事柄でもありました。

米韓によるこの宣言は、韓国内外で朝鮮半島地域での軍国主義の加速化および核兵器に反対する人々からの抗議と批判に直面しました。

複数の報道から、この問題に関する韓国での継続的な批判はもちろん、北朝鮮でのデモに関するニュース報道もなされています。

ワシントン宣言に対しては、北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党総書記の妹のキム・ヨジョン党副部長も先月29日、バイデン米大統領を「未来のない老いぼれ」、ユン大統領を「愚か者」と呼びながら反発しました。

キム・ジョンウン総書記は、韓国と米国の挑発行為が朝鮮半島地域での軍国主義と軍拡競争の拡大の元凶であるとしています。

韓国での戦略装備の配備は、最近の米韓の間で成立した「ワシントン宣言」の一部であり、米国は2日火曜、この宣言実施の枠組みの中で、朝鮮半島に原子力潜水艦を派遣すると発表しました。

韓国チュンアン大学のある社会学教授は、ワシントン宣言の発表後、「韓国は、朝鮮半島、東アジア、さらには世界で新たな冷戦の開始を促進することになる。ユン政権は、朝鮮半島の緊張緩和ではなく、新たな冷戦を扇動し完成させる役をわざわざ買って出ようとしている」としました。

さらに、ユン政権がアメリカと日本の過激派のすべての要求に追従したとして非難し、「ユン大統領は韓国を、独立性がなくコントロールのきかない弱い国とせしめた」としました。

 


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