中国のG20観光会合欠席に、インドが反発(動画)
インドは、同国とパキスタンおよび中国が領有権をカシミール地方のスリナガルで開催される予定のG20観光ワーキンググループ会合に中国が不参加を表明したことを受け、「同地は我が国の領土であり、我々は(自国内の)どの地域でも会合を開ける」と主張しました。
今月22日から24日にかけて開催される主要20カ国・地域観光ワーキンググループ会合は、議長国のインドがスリナガルを開催場所に選んだため、同地では特別警戒態勢が敷かれています。
G20は、アメリカ、フランス、ドイツ、中国、ロシア、インドネシア、トルコ、アルゼンチン、インド、南アフリカ、イギリス、イタリア、日本、サウジアラビア、オーストラリア、ブラジル、カナダ、韓国、メキシコ、EUで構成されています。
イルナー通信によりますと、インドのモディ首相は、2020年に国境をめぐり中国と関係が悪化して以来となる(踏み込んだ内容の?)声明で、「核を保有する同士の隣国関係は、相互尊重に基づいてのみ平穏・平和が保たれる」と述べました。
スリナガルで開催されるこの会合には、G20の加盟国・地域、関連国際機関、招待国の代表らが数百人参加する見込みです。
同会合は、インド政府が2019年8月5日、国内で唯一イスラム教徒が多数派を占めるジャム・カシミール州の自治権を剥奪して以降、同州で行われるはじめての主要な国際会合となります 。
同州で自治権が剥奪されてより、インド政府の管理化に置かれたカシミール地方では、何か月も戒厳令が敷かれてインターネットや携帯電話へのアクセスが遮断されたほか、ヒンズー教徒がこの地域の土地を取得して移住する道が開かれたため、地元住民の生活は問題を抱えることとなりました。
世界的に有名なスリナガルの美しさは、カシミール地方を「地上の楽園」と呼ばしめていました。
同地はまた、宗教的・歴史的に重要な文化遺産の多くある土地としても知られており、1907年まではペルシア語が公用語とされていたことから、インドの管理化にあってもペルシア語学習の中心地となっていました。
インドは長年にわたり、数十万の軍隊を送り込んでカシミール地方の一部を実効支配し、数万人を殺害してきました。カシミールの人々は、同地の帰属が全住民投票実施で決められるべきとした国連安全保障理事会決議の履行を要求していますが、インド政府は依然としてこれに反対しています。