福島原発処理水放出に関するIAEA報告書に、中国が反発
7月 05, 2023 20:18 Asia/Tokyo
中国政府は、日本の福島第一原発の処理水海洋放出に関してIAEAが出した報告書について、「放出の許可証にはならない」などとし、日本政府に対し、国際機関と協力して長期的な監視体制をとることを求めました。
IAEA・国際原子力機関は、2年間にわたる福島第一原発の調査を経て、国際的な波紋を呼んでいる処理水の海洋放出に許可を出しました。
IAEAは今回の報告で、日本があらゆる安全基準を順守しているとし、近隣諸国から出ている懸念については、「汚染物質による人体・環境への影響は、ごく微量に過ぎない」としました。
この報告は、太平洋沿岸の国々の懸念や反発を増すこととなりました。
処理水放出の開始時期は、現時点では確定していませんが、放出が始まれば40年以上かかるものとみられています。
新華社通信によりますと、中国外務省の報道官は5日、今回のIAEAの報告について、IAEAが処理水放出について長期的な監視体制を敷くべきだとし、報告書について「(福島第一原発を視察した)専門家の見方を十分に反映しておらず、遺憾だ」と述べました。
その上で、「日本には処理水放出や水質データの検証の長期的な見通しがなく、この報告書は不完全だ。日本政府は、単に放出コストを下げることだけにこだわっている」と指摘しました。
そして、「報告書に何が書かれているかは重要ではない。日本がこれから30年かけて数百万トンの処理水を放出するという現実は変わらない」と述べました。
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